文学研究科では、文化遺産学・人文知連携センター内のユーラシア宗教遺産部門を中心に、「諸宗教の伝播と融合」をテーマとしたシンポジウムを開催します。
人文学諸分野を横断・総合する研究を進め、その成果を組織的に発信することを目的として設置された文化遺産学・人文知連携センター内にあるユーラシア宗教遺産部門では、宗教を有形・無形の文化遺産として捉え、ユーラシアの諸宗教の比較研究を進めています。今回のシンポジウムでは、その成果発信の一環として、インドから中国、そして日本へという仏教伝播の過程を踏まえながら、ユーラシアにおける諸宗教の伝播と融合の実態や、融合のあり方の差異について考察します。
かつて、日本の神祇信仰(神道)と仏教とが融合した「神仏習合」は日本独自の宗教現象だといわれたことがありますが、さまざまな宗教や信仰が融合する現象は世界各地で広く見られます。ただ、融合の姿は多様であり、その実態にこそ、各宗教・信仰の間での力関係や、それが起こった地域的な特徴が現れています。さらには、融合ではなく、紛争や対立に発展する場合もあり、現代の宗教をめぐる様々な問題を考える上でも、過去の歴史的事実を確認する作業は必要です。
各報告では、インド・敦煌・中国北方・日本を対象として、ヒンドゥー教・仏教・マニ教の形成とその伝播にともなう現地の諸信仰との融合の姿を具体的に提示します。それを踏まえて、総合討論では、インドのイスラーム化(イスラームのインド化)を含めて、ユーラシアにおける融合の特質に関する議論を行い、宗教遺産研究の可能性を示します。
基本情報
- オンライン
オンライン開催(Zoom使用)
- 一般・地域の方
どなたでもご参加いただけます。
先着480名
無料
イベント内容
報告者
- 横地 優子 文学研究科教授(インド古典学)
- 宮崎 泉 文学研究科教授(仏教学)
- 檜山 智美 白眉センター特定助教(仏教美術史学)
- 古松 崇志 人文科学研究所教授(東洋史学)
- 上島 享 文学研究科教授(日本史学)
- 吉田 豊 文学研究科名誉教授(言語学)
コメンテーター
小倉智史 東京外国語大学准教授(西南アジア史学)
申し込み
参加には事前登録が必要です。以下のリンクよりお申し込みください。
2021年度京都大学文学研究科・文学部 公開シンポジウム「ユーラシアにおける宗教遺産研究の可能性 -伝播と融合-」
ただし、定員になり次第、締め切ります。
備考
主催: 京都大学文学研究科
協賛: 京大以文会
京都大学文学研究科総務掛
Tel: 075-753-2700