用語説明
サイトカイン
細胞間で情報を伝達する因子。多くの種類があり、細胞の分化、形態変化、遊走、成長、増殖などに影響を与える。これまでの研究で、BMP4とWNT3というサイトカインがPGCの形成に必須であることが示されていた。
Blimp1
PGCの形成に必須な転写因子の一つ。PGCにおける体細胞化の抑制、多能性の再獲得、エピゲノムリプログラミン全てに重要な役割を果たす。
Prdm14
PGCの形成に必須な転写因子の一つ。PGCにおける多能性の再獲得、エピゲノムリプログラミン全てに重要な役割を果たす。
T
中胚葉に由来する細胞の分化に重要なことが古くから知られている転写因子の一つ。
中胚葉
発生初期にエピブラストから誘導される3胚葉(外胚葉、中胚葉、内胚葉)の一つで、血液、筋肉、腎臓等に分化する。
ES細胞
胚性幹細胞(Embyronic Stem Cells)のこと。マウスの場合は受精後3-4日目の胚盤胞の内部細胞塊から、培養により得られる。体外培養により無限に増殖し、生殖細胞を含むほぼ全ての組織の細胞に分化することができる。
iPS細胞
人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells)のこと。皮膚などの体細胞に特定の因子(Oct4, Sox2, cMyc, Klf4など)を導入することにより作製される。ES細胞のように、無限に増殖し、生殖細胞を含むほぼ全ての組織に分化することができる。
始原生殖細胞
卵子もしくは精子の起源となる細胞。マウスの場合は胚齢6.5日前後に、内部細胞塊に由来する胚体外胚葉(エピブラスト)内に誘導される。胚齢12日目前後に体細胞の性によって、卵子もしくは精子へと分化する。
エピブラスト
胚体外胚葉のこと。発生初期に現れる、すべての体細胞と生殖細胞の起源になる一層の上皮細胞
EpiLCs
エピブラスト様細胞(Epiblast-like Cells)のこと。ES細胞やiPS細胞から特定の培養条件で分化させた細胞。エピブラストによく似た特徴を持つ。体外培養系において、PGC様細胞へと分化する能力がある。
Tfap2c
PGCの形成に必須な遺伝子の一つ。PGCにおける機能は不明な点が多い。
転写因子
DNAからメッセンジャーRNAへの転写を制御するタンパク質。遺伝子が機能するには、DNAの情報がまずメッセンジャーRNAへと転写され、その後タンパク質へと翻訳される必要がある。このうち転写を制御するのが転写因子であり、生物の発生過程ではさまざまな転写因子によってゲノムのどの情報を利用するかが規定され、さまざまな細胞が生み出される。細胞内では多数の転写因子が機能しているが、細胞の種類に応じて、特徴的な転写因子は異なる。
発現制御領域
遺伝子の転写(発現)を制御するゲノム上の領域のこと。