用語解説
アルマ望遠鏡
正式名称は、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計:Atacama Large Millimeter/submillimeter Array=「ALMA」)。南米のチリ共和国北部にある、アタカマ砂漠の標高約5000メートルの高原にあります。アルマ望遠鏡は、受け入れ国であるチリとの協力の下、国立天文台を代表とする東アジア、米国国立電波天文台を代表とする北米連合、ヨーロッパ南天天文台を代表とするヨーロッパの国際共同プロジェクトです。
ダスト
ケイ素や炭素、鉄などを含む大きさ1マイクロメートル以下の微小な固体粒子
可視光
人間が見ることのできる波長の電磁波。波長はおよそ0.4マイクロメートルから0.7マイクロメートル
近赤外線
波長0.7マイクロメートルから3マイクロメートル程度の電磁波
ミリ波・サブミリ波
波長1ミリメートルから1センチメートルの電磁波をミリ波、波長0.1ミリメートルから1ミリメートルの電磁波をサブミリ波といいます。ミリ波・サブミリ波では、宇宙に存在する冷たいガスや塵が放つ電波をとらえることができます。
宇宙背景放射
特定の天体からではなく、宇宙全体からぼんやりと発せられるように見える放射を「宇宙背景放射」と呼びます。ビッグバンの名残とされる「3K宇宙マイクロ波背景放射」はその代表格です。実際には数多くの暗い天体から電波が発せられている場合でも、望遠鏡の感度や解像度が不足しているとその発生源となっている天体を見分けることができず、「宇宙背景放射」として観測されることがあります。実際には星の集まりである天の川を肉眼で見ると、個々の星には分解できず、白くぼんやりとした雲のように見えるのと同じことです。今回の研究では、ミリ波・サブミリ波帯の宇宙背景放射のうち、3K宇宙マイクロ波背景放射の寄与を除いた放射のおよそ80%が、より一般的な銀河から発せられていることが明らかになりました。