用語解説
SiC(シリコンカーバイド:炭化珪素)
バンドギャップがシリコンの約3倍で、絶縁破壊電界が約10倍、熱伝導率が約3倍というすぐれた物性値を持つ化合物半導体であり、これらの特性がパワーデバイス応用と高温動作に適している。
MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistorの略)
金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタのことで、FETの中では最も一般的に使用されている構造である。スイッチング素子として使われる。
パワーエレクトロニクス
電力(パワー)を半導体デバイス(エレクトロニクス)を用いて都合の良い形態に変換し、自由に制御する技術である。家庭用の電気製品から、産業、鉄道、電力などのシステムに適用されており、現代の生活に無くてはならない存在である。
※ 正田英介、楠本一幸 『パワーエレクトロニクス』 オーム社出典
プレーナー型構造
プレーナーは平面を意味する。チップ表面にMOSFETのゲートを形成した構造。
オン抵抗
パワー素子の動作時の抵抗値。パワーMOSFETの性能を左右する最も重要なパラメータで、値が小さいほうが高性能である
トレンチ型構造
トレンチは溝を意味する。チップ表面に溝(トレンチ)を形成し、その側壁にMOSFETのゲートを形成した構造。プレーナー型MOSFETに構造上存在する JFET抵抗が存在せず、プレーナー構造よりも微細化が可能なため、SiC材料本来の性能に近いオン抵抗が期待できる。
JFET抵抗(接合型電界効果トランジスタ Junction Field Effect Transistor 抵抗の略)
JFETはPNP接合(またはNPN接合)の空乏層の広がりで電流を制御するトランジスタ。
プレーナー型では隣接するセル間に寄生的にJFET が形成され抵抗成分となる。
SBD(ショットキー障壁ダイオードSchottky Barrier Diode の略)
金属と半導体を接触させることでショットキー障壁が形成され、整流性が得られることを利用したダイオード。少数キャリア蓄積効果が無く高速性に優れているという特徴を持つ
ハイブリッド車
内燃機関と電動機を組み合わせた動力源を持ち、状況に応じて単独、あるいは複数と、電力源を変えて走行する自動車のこと。総合効率が電気自動車や燃料電池自動車と同程度であり、環境負荷の低い実用車として注目されている。
電気自動車
電力により推進する自動車。二次電池(稀に一次電池)を動力源とし、外部からの充電または電池交換により走行用の電力を得る自動車。