聴講講義: Experiencing Ma

聴講講義: Experiencing Ma
  •  授業内容は、毎週異なるトピックについてゲストスピーカーからその歴史や意味についてお話を聞き、その後実際に体験させてもらうというものだった。例えば、フリースタイルといわれる生け花を実際に自分の感性にしたがって生けてみたり、小学校以来となる書道を久しぶりに経験したりした中で、アメリカ人学生らがそれらを心から楽しみ、さらには自己の表現のツールとして理解している様子を見て、新鮮な気持ちであった。日本の教育ではまず最初に基本を習い、それに忠実に従いつつさらに「美しさ」を追求するのが学校での一般的な芸術に関する指導である一方で、アメリカ人学生の取り組む姿勢を見ていると、アイデンティティーの表現方法として個性的であればあるほど良いという気概がうかがわれ、体験学習の中からそのような発見もあった。さらに土日の課外授業では文楽や歌舞伎、能といった伝統芸能を拝見する機会もあり、様々な日本の伝統に触れられ、かつそれらの体験をアメリカ人学生と共有し、どのような観点でそれらを評しているのかを知ることができ、有意義であった。(農M1)
  •  この授業は、日本文化が独自の時空間を大切にしているという観点から日本文化を考察するという授業でありました。授業の形式は日本文化に精通されているゲストの先生方が教室に来てそれぞれの文化を実演してくださり、私たちも実際に体験するという形や、Field Tripを行う形式でした。例えば、お華を教室で生けたり、文楽や歌舞伎を見に行ったりしました。
     私はこれまで日本人や日本社会はリーダーシップに欠け、堂々と意見を主張することができないことが多いことに劣等感を抱いていました。しかしながら、深く洞察し自分を見つめることを大切にするという「禅」の文化であったり、自然との調和を重んじる文化であったり、極めて繊細で美しい日本の文化を再確認し、なんて素敵なものだったのか、と誇らしく思うようになりました。そして、何百年も前に作られた文化や思想が今でも日本人である私を惹きつけてやまないこと、文化は人間の根底で受け継がれているのだということに感動を覚えました。
     この授業において日本文化の素晴らしさだけではなくて、Stanfordの学生の創造性の豊かさにも感銘を受けました。この授業の最後には、「自空間を自分なりに表現する作品」をそれぞれ作るという課題が出されたのですが、そこでの彼らの作品は今まで見たことのないユニークなものでした。私は彼らの発想力に大変驚きました。それとともに、アメリカでiPodやFacebookなどが次々と生み出されていることが理解できるように思いました。
     この授業を通して、私は日本文化への誇りとアメリカ人の豊かなクリエーティビティを実際に体験することができました。この経験は世界で活躍したいと願う私にとって素晴らしい価値を持つものでした。(法B3)