私が受講したPolitical Economy of Japanは、先生がStanfordでPhDを取得された日本人の方で、英語は非常に聞き取りやすかったほか、内容も日本の政治・経済・社会などの親しみの深いものだったので、授業についていく上で問題はありませんでした。また、宿題は1回も出されず、テストも問題が事前に公開されるなど、全体的に負担は軽かったと言えるでしょう。最後に10枚のレポートを提出しなければいけませんでしたが、テーマは自分の興味があるものなら何でもよかったので、それほど苦労しなくても大丈夫でした。授業の内容は非常に興味深く、日本を考え直す機会になったほか、授業の後半には毎回ゲスト・スピーカーの講演があり、様々な質問をすることができました。
Stanfordの学生について、授業中にFacebookでチャットをしている人がたくさんいたのですが、「一体なんのために日本に来たのやら」と思っていたらいきなり的を射た質問をするなど、いろいろな意味で頭がいいと感じました。一部の学生とは一緒に野球観戦に行ったりしましたが、やはり日常会話にはなかなか完全についていくことはできず(これは英語力の問題で如何ともしがたかったのですが)、交流という意味では少し不完全燃焼という気がしています。向こうの学生は日本人に興味津々という感じでもなかったので、自分から積極的に話しかけていかないと、ただ授業に参加して証明書をもらうだけになってしまうでしょう。
私がSCTIを知ったのは2回生の頃だったと記憶していますが、時間割が合わない、学期が合わない、単位にならないなどの理由から、なかなか参加することができませんでした。しかし、やはり参加をためらう最も根本的な原因は、これは私に限った話ではないでしょうが、英語力に対する不安だと思います。一部の先生のおっしゃる通り、京都大学の英語の授業だけではSCTIに参加するための英語力はつかないように感じます。他のアジア諸国の大学が英語教育に力を注いでいるのを見習って、京都大学全体が部署を超えてクロス・ファンクショナルな工夫を凝らせば、SCTIの参加希望者も増えるでしょうし、京都大学の世界における地位も向上するのではないでしょうか。(経B4)
聴講講義: Political Economy of Japan