京都大学春秋講義(平成26年度 秋季講義)
春秋講義は、京都大学における学術研究活動の中で培われてきた知的資源について、広く学内外の人々と共有を図るため、1988(昭和63)年秋から開講しています。講義はメインテーマをもうけ、時宜を得たテーマについて講義を行います。
平成26年度 秋季講義
テーマ
「生命と老化を考える」
日時および内容
9月13日(土曜日) 13時00分~16時20分 (開場12時30分)
13時00分~14時30分 | 生殖細胞:生命を継承する仕掛けを探る 斎藤 通紀 医学研究科教授 |
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14時50分~16時20分 | 難病への挑戦 垣塚 彰 生命科学研究科教授 |
9月27日(土曜日) 13時00分~16時20分 (開場12時30分)
13時00分~14時30分 | 老化からみた人の一生 石川 冬木 生命科学研究科教授 |
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14時50分~16時20分 | 安心して終焉を迎える日本的な看取り:その準備、受容、意味 カール・ベッカー こころの未来研究センター教授 |
会場
京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホール
(京都市左京区吉田本町)
定員
500名(各日とも当日先着順)
対象
どなたでもご参加いただけます。
受講料
無料
申し込み
不要
講義の概要
テーマ: 「生命と老化を考える」
9月13日(土曜日)
- 13時00分~14時30分
「生殖細胞:生命を継承する仕掛けを探る」 斎藤 通紀 医学研究科教授
ヒトの体を構成する細胞は、体細胞と生殖細胞に分けられます。体細胞とは、皮膚や神経、筋肉、肝臓などの細胞のことで、個体の生命活動の維持に必須な細胞です。一方生殖細胞とは、精子や卵子など、新しい個体をつくるのに必須な細胞です。どうして生殖細胞だけが新しい個体/生命を産み出せるのでしょうか? 本講義では、生殖細胞に関する我々の研究を紹介し、生殖細胞の持つ能力とその応用について考えます。 - 14時50分~16時20分
「難病への挑戦」 垣塚 彰 生命科学研究科教授
世界最高の医療環境を誇る我が国においても治療法が無い難病が多く存在します。私の研究室では、そのような難病に対する治療法の開発を目指した研究を行ってきました。本講演では、我々が開発した新規薬剤による緑内障や網膜色素変性症といった難治性眼疾患モデル動物に対する治療効果とホップのエキスによるアルツハイマー病モデル動物に対する発症予防効果について示し、他の難病治療についての今後の展望についてお話しします。
9月27日(土曜日)
- 13時00分~14時30分
「老化からみた人の一生」石川 冬木 生命科学研究科教授
年齢を重ねると、人は少しずつ体の機能が衰えます。その意味で、老化はやっかいで、できれば避けて通りたい現象です。しかし、人の一生という広い観点から見ると、老化には、人を含めたあらゆる生物になくてはならない重要な働きがあります。本講演では、「老化がなぜおこるのか?」と「どうやっておこるのか?」の二点について、現在明らかにされつつあることを分かりやすくご紹介します。 - 14時50分~16時20分
「安心して終焉を迎える日本的な看取り:その準備、受容、意味」 カール・ベッカー こころの未来研究センター教授
日本の伝統文化では、在宅で大家族に囲まれながら、死の看取りを行ってきました。ところが、過去数十年の間、死の看取りは在宅から病院、大家族から医療従事者へと渡りました。患者自身の死に対する不安などを話せなくなったばかりか、遺族の悲嘆を消化する場もなくなりつつあります。納得できない死別や、消化できない悲嘆に対して、日本人の経験智に基づき、死別の受容のプロセスを再検討・再評価すると同時に、一般市民だれもができる、死への準備や意味づけを簡単に紹介します。
問い合わせ先
京都大学渉外部広報・社会連携推進室
〒606‐8501 京都市左京区吉田本町
Tel: 075-753-2233(月曜日~金曜日 9時00分~17時00分)
Fax: 075-753-2246
E-mail: Kinen52*mail.adm.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
主催:京都大学
後援:京都府/京都市