国際大学連合であるThe Association of East Asian Research Universities(東アジア研究型大学協会、略称:AEARU)の17th Annual General Meeting(第17回総会)および29th Board of Directors Meeting(第29回理事会)を本学で開催しました。AEARUは東アジアにおける知の創造および学術交流の促進のために結成された国際大学連合で、現在、日本6校、中国5校、韓国3校、台湾2校、香港1校の計17校が加盟しています。今回の総会には、16の加盟校から、学長・副学長をはじめ49名が参加しました。
第17回総会は、Tony F. Chan 議長(香港科技大学学長)による開会の挨拶および松本紘 総長による歓迎の挨拶で始まりました。
議事に先立ち、第16回総会から第17回総会の間に任期満了を迎えた学長に対し、Chan議長より感謝状が贈呈されました。
Chan議長の議事進行のもと、2010~2011年に開催されたAEARU事業の報告および2011~2012年に開催予定のAEARU事業の紹介がありました。本学からは、本年1月に開催した第9回AEARUウェブテクノロジーワークショップの報告、および、翌日から始まる第1回AEARU漢字文化シンポジウムの紹介を行いました。
各加盟校からのAEARU事業報告ののち、議題は審議事項に移りました。まず、次期副議長および次期理事会メンバーの選出が行われました。AEARU理事会メンバーの任期は2年で、2011年12月を以て現理事会メンバーの任期が終了します。議論の結果、次期副議長としてChen Jun 南京大学学長が就任することが決定しました(AEARUの規定により、次期議長は、現副議長であるLih J. Chen 清華大学(新竹)学長が就任することが決まっています)。また、本学は、2004年から2011年までの4期8年にわたり、AEARU理事会メンバーを務めておりましたが、現理事会メンバーの任期満了に伴い、東北大学と交代することが承認されました。
続いて、AEARU助成金募集(AEARUは、学生や若手研究者のAEARU事業への参加に対して助成金を交付しています)に申請のあった第5回ネットワーク教育ワークショップ(主催:南京大学、期間:2011年11月30日~12月2日)およびサマーキャンプ2012(主催:東京工業大学、期間:2012年8月31日~9月3日)について審議され、両事業に助成金が支給されることが決まりました。
総会の後半では、東アジアが世界を牽引していくためにAEARUとしてできることやAEARUのあり方について、熱い議論が交わされました。AEARUの存在意義、あり方を示していく具体的方策として、前回の総会や理事会で設立された二つのワーキンググループより、以下の意見が提出されました。一つ目は、フラグシップイベントの設定です。東アジアの研究型大学だからこそ世界へ発信できるテーマを選定し、中長期的に共同研究、発表していこうというものです。もう一つは、AEARUの規程改正です。AEARUへの加盟基準(Membership Criteria)、加盟義務(Membership Obligation)を設け、加盟校のAEARUへの積極的な参画を後押ししようというものです。今回各加盟校から出た意見を元に、来年春に南京大学で開催される第30回理事会に向けて、各ワーキンググループでさらに提案の具体化を行うこととなりました。
AEARU総会終了後、午後のMember University Presentationセッションでは、松本総長による司会進行のもと、Yongmin Kim POSTECH学長、三島良直 東京工業大学理事、Da-Hsuan Feng 清華大学(新竹)理事、高橋明 大阪大学理事の4名より、研究や教育における各大学での革新的な政策や現在抱えている課題、AEARUへの政策提案などについて紹介があり、活発な意見交換が行われました。
次回の第30回理事会は、来年110周年を迎える南京大学で2012年5月に開催される予定です。
AEARU第17回総会の様子 | AEARU第29回理事会の様子 |
総会で発言する松本総長 | Chan議長 |
AEARU第17回総会および第29回理事会集合写真 |