大学院農学研究科附属農場の移転について (2009年9月28日)

大学院農学研究科附属農場の移転について (2009年9月28日)

 このたび、大学院農学研究科附属農場(大阪府高槻市)の木津中央地区(京都府木津川市)への移転について、農場跡地の取得を要請していた高槻市、移転先の木津中央地区を施行する独立行政法人都市再生機構と大枠合意の覚書を締結しましたので、お知らせします。

1.経緯・目的

 大学院農学研究科附属農場(高槻農場)については、地下に弥生時代の環濠集落遺跡(安満遺跡)の存在が判明しており、遺跡保護の観点から様々な制約があることにより、老朽狭隘の解消、現在の農学の教育研究に求められる機能向上に対応した施設等の改修が十分にできない状況にありました。
  今般、地元高槻市から遺跡の保存等を目的とした公園整備のため、高槻農場の取得要請があり、他方、都市再生機構から移転候補地として木津中央地区の提案を受けたところです。
  本学としては、木津中央地区は農場として十分利用可能であること、また、関西文化学術研究都市に位置し、近隣の大学・研究機関との共同利用・共同研究が可能であることから、移転候補地として適切と判断し、このたび、移転に向けて高槻市、都市再生機構と覚書を締結することになりました。
  農場移転の実現によって、長年の懸案であった施設設備の老朽狭隘解消等を行い、農作物生産技術に関する学生実習などの教育機能、農業技術開発などの研究機能の向上を図るとともに、学研都市をはじめ京阪奈地区に所在する大学・研究機関との共同利用・共同研究などを通じて、日本の農学研究の更なる発展に寄与できるものと考えております。

2.覚書の主な柱

  1. 都市再生機構の施行する木津中央地区に本学農場が移転すること。 
  2. 本学が高槻市および都市再生機構に農場跡地を譲渡し、高槻市および都市再生機構において安満遺跡芝生公園等整備を行うこと。

覚書写しは以下のとおりです。

3.今後のスケジュール

 覚書締結後は、高槻市、都市再生機構と新農場用地および現農場に係る引渡時期等の譲渡条件を確定し、平成22年度末に基本協定、23年度中に土地譲渡契約を締結し、24年度から移転を開始する予定としています。 

京都大学大学院農学研究科附属農場の移転について(共同談話)

 京都大学としては、附属農場の移転は永年の懸案事項でありましたが、学研都市への移転によりこれを解決し、本学に求められる教育研究機能を果たしていきたいと考えております。
  なお、今後、移転の実現に向けて、京都府をはじめとする関係機関のご支援・ご協力をお願いしたいと思います。

 京都府としては、京都大学の学研都市進出は永年の悲願であり、木津中央地区の整備を促進し、要望を重ねてきたので、このたび、学研都市への移転が合意され、大変喜んでおります。
  附属農場が推進される食糧、環境、エネルギー問題の解決に向けた研究は、これからの世界にとって大きな可能性を秘めたものであり、サード・ステージ・プラン推進のための中核的な研究として、今後の学研都市の発展に寄与いただけるものと大いに期待しています。

 京都大学と京都府は、附属農場の移転を機に、京都府立大学をはじめとする大学や研究機関はもとより、木津川市など地元市町や関係機関と連携し、産学公連携による研究開発の更なる推進、新産業の創出等を図り、京都大学の研究成果が世界に貢献するとともに、学研都市の更なる発展につながるよう、効果的な連携・協力を図ってまいります。


京都大学総長  松本 紘
京都府知事  山田 啓二