一酸化炭素を高効率に分離・回収する新材料を開発 -排ガスを有効利用する新材料-

一酸化炭素を高効率に分離・回収する新材料を開発 -排ガスを有効利用する新材料-

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用語解説・注釈

一酸化炭素

化学式で表すと「CO」となる、常温・常圧で無色・無臭のガス。有機物が燃焼すると二酸化炭素が発生しますが、不完全燃焼の場合はCOが発生します。産業界においては酢酸やメタノールなどの原料として用いられています。また製鉄プロセスにおいて、莫大な量のCOが発生しています。

多孔性材料

多数の微細な孔を持つ物質。吸着材、分離材や触媒などに利用されます。

ナノ細孔物質

無数のナノメートルサイズの孔を有する物質。活性炭やゼオライトが代表的な例。今回の成果では多孔性金属錯体(PCPもしくはMOF)と呼ばれる物質を用いています。

大型放射光施設(SPring-8)

兵庫県の播磨科学公園都市にある非常に強力な放射光を利用できる施設。SPring-8の放射光は、物質科学・地球科学・生命科学・環境科学・産業利用などの幅広い分野で利用されています。

シェールガス

地下のシェール層から得られるメタンを主成分とする化石燃料ガス。近年になって採掘が可能になったもので、アメリカをはじめ石油からシェールガスへのエネルギー転換が起こっており、この新技術に基づく社会現象はシェールガス革命と呼ばれています。

有機配位子

金属イオンと配位結合を形成する有機化合物のことで、カルボキシル基、アミノ基やチオール基などを含む数多くの化合物が知られています。

多孔性金属錯体(PCPもしくはMOF)

金属イオンと有機配位子がジャングルジム状に組み上がった金属錯体結晶。ナノサイズの細孔を利用した、ガス貯蔵・ガス分離・触媒・センサーなど幅広い分野での応用が期待されている物質群です。

ヘモグロビン

赤血球に含まれる酸素運搬タンパク質。ヘム鉄と呼ばれる酸素を捕捉する部位が複数存在しますが、これら捕捉部位はタンパク質の構造変化を介して協同的に働くことが知られています。これにより効率的な酸素運搬能力を獲得しています。

吸着等温線測定

特定温度においてナノ細孔物質中にガス分子がどのくらい取り込まれるかを調べるための測定手法です。

粉末X線回折測定

結晶にX線を照射すると、原子や分子の規則正しい並び方を反映した回折現象が観測されます。その回折パターンを解析することから、結晶中で原子や分子がどのように配列しているかを調べることができます。

水蒸気改質プロセス

メタンから触媒を用いてCOと水素に分解するプロセス。燃料電池等で水素を得るために用いられています。