大規模解析により品質の悪い多能性幹細胞の見分け方を開発

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用語説明

奇形腫(テラトーマ)

ES細胞やiPS細胞を免疫不全マウスの皮下などに注射すると、腫瘍を形成する。この腫瘍はテラトーマと呼ばれ、さまざまな種類の組織が混在している。

遺伝子の発現

遺伝情報が実際に機能すること。一般的には遺伝情報はDNAの形で保存されており、mRNAに写しとって(転写して)、タンパク質へと翻訳されることで機能を発揮する場合が多い。中にはRNAの状態で機能するものもある。

DNAのメチル化

哺乳類の場合、DNAのシトシン塩基の5位末端の水素(-H)がメチル基(-CH3)に置き換わることをいう。遺伝子の働きを調整する領域がメチル化されると遺伝子の発現が抑制され、逆にメチル基が外れる(脱メチル化) と、遺伝子の発現が活発になることが知られている。塩基配列の変化に依らない遺伝子発現の機構(エピジェネティクス)の一つ

線維芽細胞

結合組織を構成する最も主要な細胞。多くの臓器に存在する。何らかの損傷により組織に傷が生じると、この細胞が増殖し修復する。

三つの遺伝子導入方法

  • レトロウイルス:初めて山中教授らによってiPS細胞が見つけられた時に使われていた方法。レトロウイルスは細胞の染色体(遺伝子)の中に初期化遺伝子を埋め込んでしまうため、がん化のリスクが高いとされている。
  • エピソーマルプラスミド:2011年に沖田圭介 iPS細胞研究所(CiRA)講師らが発表した方法。染色体に遺伝子を埋め込まず、分裂するに従って外から加えた初期化因子がなくなっていくため、よりがん化のリスクが少ない手法とされる。
  • センダイウイルス:染色体に初期化遺伝子を埋め込まないため、がん化のリスクが少ないとされている手法