運動学習の新メカニズム解明に成功
用語解説
抑制性シナプス
受け手の神経細胞の活動を抑えるようにはたらくシナプス
シナプス可塑性
神経活動によりシナプスでの情報伝達効率が持続的に変化する現象
シナプス
神経細胞間で情報を伝える接合部位
興奮性シナプス
受け手の神経細胞の活動を亢進するようにはたらくシナプス
運動学習
スポーツ技能の向上等、運動制御がより良く行えるようになる学習で、小脳が重要な役割を担っている。
プルキンエ細胞
小脳皮質唯一の出力神経細胞であり、小脳核または前庭神経核の神経細胞を抑制することにより、運動を制御する。
顆粒細胞
小脳皮質にある小型の神経細胞で、プルキンエ細胞にグルタミン酸(アミノ酸の一種で、興奮性シナプスで情報伝達を担う伝達物質としてはたらく)を伝達物質とする興奮性シナプスを形成する。
下オリーブ核細胞
プルキンエ細胞にグルタミン酸を伝達物質とする興奮性シナプスを形成する神経細胞
星状細胞
小脳皮質でプルキンエ細胞にGABAを伝達物質とする抑制性シナプスを形成する神経細胞
籠状細胞
小脳皮質でプルキンエ細胞にGABAを伝達物質とする抑制性シナプスを形成する神経細胞
長期抑圧(LTD)
Long-term depressionのことで、シナプス伝達効率の持続的減弱
脱分極依存性増強(RP)
Rebound potentiationのことで、抑制性シナプス伝達の持続的増強
GABA
γアミノ酪酸の略称で、抑制性シナプスで情報伝達を担う伝達物質としてはたらく。
GABA受容体
シナプス後部ではたらくGABAの受容体で、五つのサブユニットで形成されている。
GABARAP
GABA受容体と結合するタンパク質で、この結合ができないとRPが起こらない。
γ2ペプチド
GABA受容体の一部を切り出したペプチドで、GABARAPとGABA受容体の結合を阻害する。
前庭動眼反射
頭部回転を内耳の三半規管が検出して、頭部回転と反対方向に眼球を回転させる反射で、動物が運動する際の頭部回転による視野のブレを防ぐはたらきをする。
三半規管
内耳にあり、頭部の回転を検出する。