用語説明
状態方程式
巨視的な物質を特徴付ける状態量(温度、体積、圧力、内部エネルギーなど)の間の関係式。気体の状態方程式(PV=nRT)はその一例
HAL QCD Collaboration
Hadrons to Atomic nuclei from Lattice QCD Collaborationの略称。京都大学、理化学研究所、日本大学、筑波大学、東京大学の研究者からなる共同研究チーム
T2K-Tsukuba
京都大学・筑波大学・東京大学の3大学間で結ばれたT2Kオープンスーパーコンピュータ提携に基づき、2008年6月、筑波大学に導入された大規模PCクラスタ方式のスーパーコンピュータ
クォーク
物質を構成する基本要素。6種類のフレーバー(アップ、ダウン、ストレンジ、チャーム、ボトム、トップ)と3種類のカラー(赤、青、緑)を持つ。陽子はアップクォーク二つとダウンクォーク一つ、中性子はアップクォーク一つとダウンクォーク二つからできている。
ブルックナー理論
強く相互作用する量子多体系を扱う理論。短距離で強い反発力を持つ陽子や中性子の集合体に対する状態方程式の導出に有用な方法
量子色力学
クォークおよびクォーク間の相互作用を媒介するグルーオンを支配する基本理論。ゲージ理論の一種。南部陽一郎博士(2008年ノーベル物理学賞受賞)がその原型を提唱した。グロス博士、ウィルチェック博士、ポリツァー博士らが量子色力学の重要な性質である漸近自由性(高エネルギーになるほど相互作用が弱くなる現象)を理論的に発見し、2004年ノーベル物理学賞を受賞した。
格子ゲージ理論
量子色力学などのゲージ理論を、超立方格子の時空上で定式化する理論。モンテカルロ法などを使った大規模数値シミュレーションに適している。
負符号問題
被積分関数が激しく振動するような大自由度積分を、数値的に実行するときに現れる一般的困難。被積分関数の正負が互いに打ち消し合うために起こる。
ハイペロン
アップ、ダウンだけでなく、ストレンジクォークを含むバリオン(クォーク三つからなる粒子)の総称
スーパーコンピュータ「京(けい)」
文部科学省が推進する革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の中核システムとして、理化学研究所と富士通が共同で開発を行い、2012年9月に共用を開始した。1秒間に1京回(1兆の1万倍)の計算ができる計算速度10ぺタフロップス級のスーパーコンピュータ