夏目漱石の坊っちゃんのように、間違った事が大嫌いで義憤に駆られ、損ばかりする行動様式に脳内セロトニンが関与

夏目漱石の坊っちゃんのように、間違った事が大嫌いで義憤に駆られ、損ばかりする行動様式に脳内セロトニンが関与

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用語解説

分子イメージング

生体内で起こるさまざまな生命現象を外部から分子レベルで捉えて画像化する技術およびそれを開発する研究分野であり、生命の統合的理解を深める新しいライフサイエンス研究分野。体の中の現象を、分子レベルで、しかも対象に大きな負担をかけることなく調べることができる。がん細胞のふるまいの調査だけではなく、アルツハイマー病や統合失調症、うつ病といった脳の病気、「こころの病」を解明し、治療法を確立するための手段として期待されている。

PET

ポジトロン断層撮像法(positron emission tomography;PET)のこと。画像診断装置の一種で、陽電子を検出することによって様々な病態や生体内物質の挙動をコンピュータ処理によって画像化する技術である。

セロトニン

中枢神経系に存在する神経伝達物質であり、脳幹の縫線核から投射され、脳内に広く分布している。睡眠、体温調節、情動、記憶など様々な機能の調節をする働きがある。

最後通牒ゲーム

提案者と受領者の二人で行う経済ゲームの一種。提案者は、与えられた金額を受領者とどのように分配するか一方的に提案することができる。受領者が提案された分配額を受け入れると取引は成立し、提案者の提案通りに金額が二人に分配される。しかし、受領者が提案された分配額を拒否した場合はその取引は成立せず、お互いに1円も得られない。古典的な経済理論では、受領者はどんなに不公平な提案をされてもそれを受け入れて、1円でも利得を増やすべきと想定するが、実際には提案額が総額の3割程度以下になると拒否をする行動が認められる。このように憤慨して取引を台無しにしやすい人や、不満な気持ちをこらえて取引を成立させ、利得を増やすことに専念する人などに個人差があることが経験的に知られていた。公平性に対する個人の反応を検討するゲームとして行動経済学で広く使用される。

セロトニントランスポーター

神経終末などに存在し、神経終末から放出されたセロトニンを放出された近傍ですばやく再取り込みして、その活性を終了させる役割を担う。

中脳

脳幹のうち、もっとも上の部分である。様々な反射の中枢であるとともに、様々な運動系の経路や、視聴覚の中継の場でもある。

行動経済学

伝統的な経済学では、計算式や理論に基づき人間は合理的に振舞うというのを前提としていたが、観察や実験を通して血の通った人々の行動や心理状態を重視して、人間の心理バイアスや認知が私たちの経済行動にどのような影響を与えるか研究する分野。ダニエル・カーネマン、バーノン・スミスは、この分野への功績で2002年ノーベル経済学賞を受賞した。

神経経済学

行動経済学に端を発し、心理学、認知科学、経済学に脳神経科学が融合し、人間の行動選択、意思決定、消費行動を脳神経科学の観点から理解しようとする学際的分野で近年、急速に興隆している。

fMRI

機能的核磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging;fMRI)のこと。MRIを高速に撮像して、神経細胞の活動に伴う血流動態反応を視覚化することにより、運動・知覚・認知・情動・意思決定などに関連した脳活動を画像化する手法である。

[11C]DASB

3-amino-4-[2-[(di(methyl)amino)methyl]phenyl]sulfanylbenzonitrileの略。セロトニントランスポーターに対して高い親和性と選択性を有する薬剤を放射性同位元素の炭素-11で標識したもの。

背側縫線核

セロトニン神経の代表的な起始核で中脳に存在する。