天文学者と聞くと、夜な夜な望遠鏡を覗いて星の研究をしているというイメージがあるかもしれません。しかし、今や望遠鏡も観測装置も現代の新しい技術を取り入れることによってこのようなイメージとは随分違った観測が行われています。しかも、現代の天文学では、電波からX線・ガンマ線まで全ての電磁波の波長域での観測結果を総合することで宇宙の謎に迫ることが必須となっていて、それぞれの波長で望遠鏡や観測方法が異なります。例えば、光や赤外線の波長ではすばる望遠鏡に代表されるような1枚鏡による観測が一般的で、電波ではALMAのような多数のアンテナを組み合わせた観測もあり、X線では地上では観測せずに衛星による観測が行われています。
そこで、この講演会では、目で見える光だけではなく、電波とX線の波長域を取り上げ、それぞれの波長によって望遠鏡の仕組みがどのように異なるのか、どうやって観測しているのか、波長が異なると見える宇宙・天体の姿が全く違っていますが、どんな風に違うのか等について紹介します。3人の講師は、それぞれの波長での最先端の技術に詳しい一線の研究者で、最新望遠鏡や観測装置、将来の望遠鏡等について紹介します。講演の後には、全波長を見渡して宇宙を見る「眼」の違いや色々な波長での観測が必要な理由等について総合的な質疑の場を設け、講演参加者も交えて討論を行います。
また、三つの講演の前には、2012年5月にみられる金環日食の簡単な紹介も行います。多くの皆さまの参加をお待ちしています。
日時
2012年3月18日(日曜日) 13時00分~17時00分(開場 12時00分)
会場
百周年時計台記念館 百周年記念ホール
※会場には公共交通機関でお越しください。(バス停:京大正門前より徒歩5分)
対象
中高生以上・一般向け(小学生でも特に興味のある方は参加していただいて結構です)
受講料
無料
申し込み
不要
定員
500名(先着順とさせていただきます)
講演プログラム
司会:吉川 真(JAXA 宇宙科学研究所 准教授)
13時00分~13時05分 | 理事長あいさつ |
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13時05分~13時25分 | 講演会の趣旨と金環日食の話 柴田 一成(京都大学大学院理学研究科 教授、附属天文台長) |
13時25分~14時10分 | 講演1:「光赤外線の望遠鏡、その最先端技術」 長田 哲也(京都大学大学院理学研究科 教授) |
14時10分~14時15分 | 質疑応答(5分) |
14時15分~14時25分 | 休憩(10分) |
14時25分~15時10分 | 講演2:「アンデスの巨大電波望遠鏡ALMA」 長谷川 哲夫(国立天文台 ALMA推進室 教授) |
15時10分~15時15分 | 質疑応答 (5分) |
15時15分~15時25分 | 休憩(10分) |
15時25分~16時10分 | 講演3:「X線望遠鏡って:それで何が見えるの」 小山 勝二(京都大学 名誉教授) |
16時10分~16時15分 | 質疑応答(5分) |
16時15分~16時45分 | 総合質疑・パネルディスカッション(講師全員+司会者)(30分) |
16時45分 | 閉会 |
問い合わせ先
京都大学大学院理学研究科 宇宙物理学教室
世話人:太田 耕司(日本天文学会年会担当理事)
〒606-8502 京都市左京区北白川追分町
E-mail: kouen*kusastro.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
備考
詳しくは以下の日本天文学会ホームページをご覧ください。
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/asj2012a/public.html
主催
日本天文学会
後援
京都大学、京都大学大学院理学研究科、京都大学宇宙総合学研究ユニット、京都府教育委員会、京都市教育委員会、NPO法人花山星空ネットワーク、京都新聞社