ここでは一般的な事項について触れていますが、外務省の海外安全情報のページでは国ごとの安全対策について詳細な記述があります。留学前に、渡航先の安全情報を必ず確認し、それを念頭において行動してください。
外務省 海外安全ホームページ 国別防犯手引き(外部リンク)1. 安全面のリスク
安全面のリスクへの対応は、できるだけ危険に近寄らないことが第一です。このために、以下のようなことを守ってください。
- 寂しい場所に一人で行かない。
- 友人でも節度を持って接する。
- 高価なもの、ブランド品を身につけない。
- 所持金、預金などについて人に話さない。
- なれなれしく近寄ってくる人間には気をつける。
- 交通規則を守る。
- 危険な乗り物(バイクの二人乗りなど)を避ける。
- 酒を飲み過ぎない。
- 麻薬などに手を出さない。
2. 身体面のリスク
身体面のリスクについても同様に、出来るだけリスクを避けることが大切です。
- 海外へ行く前に健康診断をして、できる限り日本で治療を済ませた後に渡航する。
- 歯のチェックを事前にして、治療は必ずしていく。
- 必要な予防注射があれば、受けていく。
- 規則正しい生活を心がける。
- 食事はバランスよくとる。
- 衛生管理が十分でない国では、「なまもの」や「生水」、路上販売のアイスクリーム、サラダなどは絶対に口にしない。肝炎になることがあります。
- 水道水が硬水の国では、水を飲んだだけで胃腸の不調を覚える人もあります。このため、状況が分かるまでミネラルウオーターを飲む方が無難です。
- 日本にはいない渡航先の虫や動物に関して、予防や治療法をあらかじめ知っておきましょう。渡航先によって、スカンク、ツタウルシ(poison ivy)、ハリアリ(fire ants)など様々な動植物があります。
3. 精神面のリスク
留学中は、新しい環境への適応と勉強等のストレスが重なって、精神的に不安定になることも考えられます。そんなときに話のできる友人がいることは大事なことです。いつも日本人同士でだけで話をしているのは問題ですが、同じ文化圏や境遇の者が、悩みを相談しあってストレスを発散することも大事です。
また、困ったとき、精神的にまいったと思ったときは、留学先の大学のカウンセラーにもぜひ相談してください。カウンセラーは、様々な相談のためにいる専門家ですから、どんなことでも一人で悩まず、気軽に相談してください。
それから、勉学も大切ですが、時々は旅行などの気分転換をしましょう。おいしいものを食べて、ちょっと違う雰囲気の場所に行くだけでずいぶんと気分も変わるものです。
4. 加害者となるリスク
すでに述べたように、自分の不注意で物を壊したり、人を怪我させたりすることなどがあります。具体的には、ホテルやアパートで風呂の水をあふれさせて階下の部屋を台無しにしたり、ベランダから物を落として下の住人に怪我をさせたり、あるいは自転車で人に接触して大怪我をさせたりなどという例があります。
このようなときには刑事的責任と民事的責任を問われます。前者はどうにも出来ませんが、後者は、事前に海外旅行保険を掛けておけば、少なくとも金銭的な解決が可能です。決してこの点を軽視してはいけません。事故は起こったときにその怖さが分かります。そのときに「かけておけばよかった」と後悔したのでは遅いのです。保険の詳細については、次項の「海外留学と保険」で述べます。