聴講講義: Japan in World War II

聴講講義: Japan in World War II
  •   講義内容は、文明開化から第二次世界大戦後の戦後処理までを時系列順に学んでいく形式だった。初めはアメリカ人視点からの歴史なので、痛烈な批判を予測していたのが、実際はそれとは逆に、極めて冷静で客観的な見方からの内容だった。進め方は、基本的に教授が1時間程度しゃべり、その後意見を募るという形をとっていた。先生が2人いたので、基本的に交代制で講義されていた。週に火曜木曜2回の授業だったが、リーディングは週ごとの割り振りで、つまり火曜までに1週間分のリーディングを読むことが求められていた。その量はかなり多く、1週間に100ページから200ページくらいあった。内容は右翼から左翼までさまざまで、つまりかなりバランスの取れたリーディングの内容だった。負担としては多かったが、授業が凄く面白かったし、リーディングを読まなければ授業内容がよく把握できないようになっていたので、頑張って読もうという気になった。授業中の発言はなんでも受け止めてもらえて、凄く発言しやすかった。教授は著名な方だったが、ユーモラスで気さくな素晴らしい先生だった。授業内での評価が嬉しいから、負担もそれほどつらくなかったし、聴講生同士でも或いは学生同士でも励ましあえたので、問題ではなかった。
      このSCTIの聴講は、KCJSに続いてとったので、学生たちにどのように接するかについては念頭にあったため、初めから積極的にコミュニケーションした。みんなすごく気さくで話しやすく、また丁寧でとても洗練された生徒たちだった。始まってすぐに誕生日会があったり、御所参拝に誘ったりと色々したことがとても良かった様で、よくご飯に誘ってもらえた。つまるところ、交流できるかどうかは、聴講生自体が積極的にアメリカ人学生に対してコミットしていけるか、誘うことができるか、どれだけ接していけるか、それにかかっていると思う。みんな交流したくて日本に来ているわけだから、話しかけていって向こうが嫌がることはないのだと思う。ただし、シャイなアメリカ人もいるので、話しかけていって必ずしも良い反応が返ってくるとは限らない。内心うれしくても、それが表現できないアメリカ人もいるのだということがわかった。
      この聴講制度は、貴重な体験ができるものばかりだったので、凄く感謝している。こんなにも素晴らしい内容なのに、3回生になるまでこの制度を知らなかったことが凄く残念だった。(文B4)

 

  •   講義内容はとても興味深いものでした。というのも、日本の学校教育では詳しいことはあまり習わない戦時中および戦後の日本の状況について、外国人の研究者の斬新な視点で取り扱っており、日本人学生の知らないことも多くあったからです。また、アジアにルーツのある学生が出席していたことで、日本に対する東南アジアの人々の見方などをリアルに知ることができました。教授がところどころで学生に質問をするので、授業には常に緊張感があり、多くの意見から授業内容以上のことを学べたと思います。
      負担についてですが、英語の読み物の宿題はとてもついていける量ではなく、時間を割ける時は半分くらい読めたのですが、他の(京都大学の)授業での宿題などと被っている場合には、手をつけることができず、テーマについて日本語の情報を少しインターネットで入手して授業を受けるといったこともありました。一方、writingの宿題は、とても大変ではありましたが、日本の授業で出されるレポート課題と違って自分の考えを表現するようなものが多かったのでとても面白かったです。
      SCTIの学生たちは、とても陽気で親しみやすい人たちばかりでした。日本人聴講生の中で英語が聞き取れないこともあり、多く親しくなることはできませんでしたが、木曜日に飲み会などに誘われて行き、そこで話が進んだ人とは、個人的にランチをしたり、英語のspeakingのトレーニングをしてもらったりと交流を深めることができました。日本に興味がある学生たちなので、とても私たちにフレンドリーに接してくれ、英語を話すことが楽しい、また、もっとコミュニケーションが取れるようになりたいと思うようになりました。
      このプログラムのいいところは、SCTIの学生のニーズと日本人学生のニーズが一致していることにあると思います。向こうの学生も日本人と仲良くなりたがっていますし、日本人学生も英語圏の学生と交流したいと思っています。私自身、語学力のせいで、英語を話せる友達に遠慮してきましたし、そのような友人を多く見ています。なぜなら、相手にとって、コミュニケーションがうまくとれない友達など、面倒だろうなと思ってしまうからです。しかし、SCTIの全ての学生がそうとはわかりませんが、向こうが私たち日本人とコミュニケーションを取りたがっているということ、そしてつたない英語でも一生懸命聞いて話してくれようとすることは、遠慮や躊躇しがちな日本人学生にとって何よりもうれしいことだと思います。ですので、もっと、このプログラムの広報を強化し(カラーのポスターを張るなど)、多くの学生がアプライできるようにしてほしいなと思います。(総人B3)