聴講講義: Japan in contemporary international affairs

聴講講義: Japan in contemporary international affairs

法学部4回生

  1. 講義内容・進め方・負担などについての感想
    主に2冊の文献を用いて、それに書かれていることについて討論したり、先生がさらに詳しい情報を付け加えたりする形式で授業は進んでいった。
    前半は、日本の安全保障政策に関する文献に基づき、その作者の考え方を理解することを中心に行っていた。多少難解な文献だったため、理解を重視するために何度か予定を繰り下げたため、最後のほうはシラバスの予定が遅れ遅れになっていってしまったが、基本的にはシラバスに沿って授業は行われた。その日にやるはずの章の内容を事前に生徒は読んでおき、講義では先生がその重要な点について質問をして生徒に答えさせる形で内容把握をし、ついで先生がさらに詳細な情報を追加したり、生徒の質問に答えたりした。この文献の最終章では4つの重要テーマとそれに対する日本の対応について各1名ずつ合計8人が短い報告を行った。
    この報告者は希望を募る形で選ばれたため、私もせっかくだからと手を挙げることにした。まだ授業が始まってから少ししか経っておらず、やる気に溢れているころであり、また本当に短い簡単なプレゼンテーションではあったが、ちょうどGW中の宿題となってしまったため多少てこずってしまったと思う。
    この本を読み終えると次はReading Packetにうつった。私たちのクラスのものは大変薄く、見開き20ページほどの配布資料だった。内容は、中国の外交政策に関するもので、このテキストについても、作者の考えを理解することを中心とした授業が行われた。
    また、ある日の授業中には、同志社中学校の生徒が御所に出かけていった楽しそうな雰囲気に私たちも誘われて、私たちも御所の芝生の上で授業を行うこととなった。たった一度だけだったが、とても珍しく不思議な経験をした。しかし、聞けばアメリカではよくあることだそうなので、日本とは違うなと感じた。
    そしていよいよ後半のメインである二冊目の文献に入った。この本も中国の政策に関するものであり、また基本的には内容理解が中心となったが、もう授業も終盤に入ってきており、生徒の理解も深まったであろうことから、この1冊の文献の内容に特化するのではなく、これまで読んできた2つの文献の作者の意見などとも比較しながら授業は展開された。先生の解説も、以前と比べて、授業全体のテーマを視野に入れた幅広い説明が多くなった。
    最後は、授業全体のテーマに関して、3・4人グループでのプレゼンと個々人のレポートという課題が与えられた。課題のトピックは、先生が20個ほどの具体例を挙げてくださったので、その中から選び、選んだものに関連性があった人同士でプレゼンを行った。プレゼンは一人につき10分程度で、合計30~40分ぐらいが各グループに与えられたが、実際には予定されていた時間を超えて発表をするグループがほとんどで、授業の最後の3回はプレゼンの発表がメインとなった。
    また、レポートのテーマは、プレゼンのそれと同様でもよく、その場合には12枚以上、また別のテーマを選ぶ場合には8-10枚程度が要求された。驚いたのは、日本の大学生の私からすると、5枚以上でももう多いなと感じるのに、Stanfordの生徒は7枚くらいなら短いレポートだと言っていたことである。
    全体的に授業を振り返ると、要求された予習(事前の読書)量は予想外に大きな負担となり、1冊目についてはときどき遅れをとりながらもなんとか大まかにはこなせていたものの、2冊目に入るころには、だんだんと自分のほかの課題との調整も困難になり、半分くらいしか読めてなかったり、各章のトピックをさらっておくだけしかできていなかったりしたこともあった。プレゼンも、メンバーで集まって相談する時間がうまくとれず、直前になって焦っていたし、プレゼンが終わった次の週にはレポートの締め切りがあったので、6月の中旬まではほとんどSCTIの課題に追われていた。最初はやる気に溢れていたため、私はプレゼントとレポートで異なるテーマを選んでしまった。それゆえ、1週間で別のトピックについても調べて8枚以上のレポートを仕上げるのは大変な負担で、睡眠時間を削ってやる日も多かった。先月19日の終業式当日の夜までが締め切りだったが、SCTIの生徒でも、お昼頃の終業式までにも終わっていない人がいたほどである。かくいう私も、終業式が終わるとすぐまたレポートを完成させに京大へ奔走している始末だった。
    とはいえ、非常に知識豊富な先生の授業を受けて、いろいろと新たな情報を得ることができたし、個人的にもたくさんの文献にあたって、これこそリサーチをするということなのだなと感じた。また、今後留学したいと考えている私にとっては、実際にアメリカの大学の課題の多さを体験する貴重な経験となった。今後はこの経験を踏まえて、覚悟した上で、向こうの大学の講義を受けることができるはずだと考える。
  2. SCTI学生との交流についての感想
    比較的少人数制のクラスであり、またSCTI生にとっても日本人学生との交流は珍しい機会だったせいもあってか、親交を深めやすく、授業外でも、会って食事をしたりなどすることができた。授業が終了した今でも、メールなどで連絡を取り合うこともあり、将来留学することになった際にも、現地の知り合いとなりうる得がたい存在を数多く見つけることができたと思う。
    また、アメリカの大学の課題は多いということは以前からも知っていたが、それに慣れているStanfordの生徒にとってはさほどの負担でもないのだろうと思っていた。しかし、実際に話を聞いてみると、彼らも試験前や課題の提出前は徹夜で仕上げたりなどすることがよくあると聞き、言い方がおかしいかもしれないが、彼らを以前よりもずっと身近な存在として感じられるようになった。つまり、彼らも私たちと同じなのだなと感じた結果、アメリカでの留学における課題の多さにも耐えていけるような気がした。困ったときもみんなはアドバイスをよくかけてくれ、一緒に助け合っていけば課題が多くても必ずなんとかなるという自信と実感を得た。
  3. この聴講制度への意見(改善して欲しい点など)
    基本的にはとても得るものの多い、大変有意義な制度であると思う。ただ、登録の期間が早すぎるので、あとでどうしても本校での授業と重なってしまったりするところだけが問題点だと思う。もしくは、同志社との授業開始時間の差から、どちらかの授業を多少犠牲にしなければならないことがあるところを改善してほしい。