京都大学シンポジウムシリーズ VII 「大地震・津波を考える-その1」「東日本大震災に関する防災研究所緊急調査報告会」を開催しました。(2011年7月26日)

京都大学シンポジウムシリーズ VII 「大地震・津波を考える-その1」「東日本大震災に関する防災研究所緊急調査報告会」を開催しました。(2011年7月26日)

 防災研究所連携研究棟ホールにおいて、京都大学シンポジウムシリーズVII 「大地震・津波を考える-その1」「東日本大震災に関する防災研究所緊急調査報告会」を開催しました。

 2011年3月11日14時46分、三陸沖でM9.0の地震が発生しました。防災研究所は、災害調査や解析情報の提供を随時行うため、翌12日に「平成23年東北関東大震災対策検討本部」を立ち上げ、本災害に関わる調査に関する危機管理、復旧支援や共同調査等における研究所内や関係機関との調整をはかってきました。さらに、緊急調査を実施し、被害の実態把握と今後の研究課題の抽出に努めるとともに、被災地支援にも積極的に参加してきました。震災後4ヶ月が経過し、これらの調査研究活動により、大震災の全体像がようやく学術的に把握できるようになってきたことから、その成果の一端を報告し、今後の研究の方向性について議論するため本報告会を開催したものです。

 緊急調査報告会は、連携研究棟ホールの披露となり、会場は満席となりました。まず間瀬肇 教授、岩田知孝 教授、釜井俊孝 教授、山敷庸亮 准教授、牧紀男 准教授、岡田憲夫 教授から、津波・斜面被害の全貌や地震の特徴、放射能動態の調査の報告や、行政対応の現状と問題点に関する講演がありました。

 次に、これらの講演を受け、今回初めての試みとして学生から教授までを交えたグループ・ディスカッションを実施しました。世代や専門分野を超えた議論を通じ、従来の発想にとらわれることなく、有意義かつ斬新な提案が行われることを期待しました。今回の大震災に際しては、若手研究者にも強い危機意識が芽生えており、大学の研究成果をいかに社会に活かしていくかという基本命題をはじめ、シニア教員に熱く議論を挑むケースも見られ、主催者側の期待以上のディスカッションが展開されました。最後の総合討論では、「今、大学の附置研究所のあり方が問われており、この状況に真正面から迅速に取り組むことが必要」との意見が出され、来るべき南海・東南海地震などの大災害に向けて参加者一同、思いを新たにしました。防災研究所では、本報告会での議論に基づいて、研究企画推進室を中心に、これからの防災研究の方向性を提案していく所存です。

 なお、防災研究所関連のシンポジウムシリーズとして、シリーズⅩ「大震災後の防災を考える」「-2011東日本大震災を踏まえた今後の防災について-」(第48回自然災害科学総合シンポジウム)を9月13~14日に開催します。続いて、9月29日にはシリーズIX 「大地震・津波を考える-その2」「-巨大災害にどう立ち向かうか-想定とその限界-」(防災研究所平成23年度公開講座)を開催する予定です。


講演をする山敷准教授

講演をする岡田教授

緊急調査報告会の様子(1)

緊急調査報告会の様子(2)

緊急調査報告会の様子(3)

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