高等教育研究開発推進センターが第17回大学教育研究フォーラムを開催しました。(2011年3月17日~18日)

高等教育研究開発推進センターが第17回大学教育研究フォーラムを開催しました。(2011年3月17日~18日)

 高等教育研究開発推進センターは、吉田南構内および百周年時計台記念館において、第17回大学教育研究フォーラムを開催しました。

 初日の全体シンポジウムでは、3月11日に勃発した東北地方太平洋沖地震で亡くなられた多くの方々への哀悼の意を込め、謹んで参加者全員の黙祷から始めました。シンポジウムは「単位制度から見る教授学習・カリキュラム」をテーマに、森利枝 大学評価・学位授与機構学位審査研究部准教授による「単位制度の基盤と今日的課題-時間と成果-」、溝上慎一 高等教育研究開発推進センター准教授による「大学生の授業外学習の実態と成長指標としての授業外学習」、森本剛 医学研究科・医学教育推進センター講師による「医学教育におけるモジュール制カリキュラムと履修制度」、伊藤浩行 広島大学大学院工学研究院准教授による「工学系数学における新たな授業制度の試み-週複数回授業、成績更新型履修制度、単元クレジット制-」、澤登秀雄 創価大学教務部課長による優秀学生を抽出して国際的に活躍する人材育成のための「オナーズ・プログラムの可能性-学習時間の確保と学習コミュニティの形成-」の報告がありました。その後、質問票による質疑を含めて話題提供者中心のディスカッションが行われ、15回の授業実施の是非が議論されている昨今、授業外学習が授業の2倍必要とされる単位制度の趣旨に立ち返って、実質的な学びを引き出す教育的工夫と単位制度そのもののあり方を模索する必要性のあることが浮き彫りにされました。

 大学教育改善の実践やFDに関わる個人研究発表は、70件を超える申し込みのなか、地震によるキャンセルも出ましたが、2日間にわたり10の会場で59件が無事に行われました。また、小講演では、大学教育へのICT利用、高等教育の質保証、プレFD、学生支援、職員のためのSDなどをテーマに、計8名による講演が行われました。2日目のフォーラムの最後には、特別企画ラウンドテーブルを含むラウンドテーブル8件を行い、大学教育の最新の知見と実践に関して、各会場で活発な討論が交わされました。

 この大学教育研究フォーラムには、未曾有の大災害の折にもかかわらず、関東方面からシンポジスト、小講演者の先生方も駆けつけてくださり、2日間で学内外の大学関係者計439名の参加者とともに、本学および全国の大学の教育改善のためのリソースをまた一段集積することができました。

 


シンポジウムの様子