平成24年度京都大学大学院理学研究科化学専攻 修士課程入試における出題ミスについて

平成24年度京都大学大学院理学研究科化学専攻 修士課程入試における出題ミスについて

2011年8月18日

【公表にあたって】

 このたび、平成24年度理学研究科化学専攻修士課程入試の問題の一部に出題ミスがあることが判明いたしました。

 この事実を厳粛に受け止め、再発防止のためにも深く反省して、ここに発表いたします。

1.出題ミスの内容
   平成23年8月17日(水曜日)に実施した理学研究科化学専攻修士課程入学試験における筆答試問、「基礎科目」の中の「無機化学」の問題2の本文中、 以下のとおりvan’t Hoff式に符号の誤り(マイナス符号の抜け落ち)が判明した。

  (誤)
  

   (正)
  

2.出題ミス発見の経緯
   化学専攻の募集人員は61名で、受験者数93名中78名が筆答試問に合格した。なお、「基礎科目」は、「有機化学」、「無機化学」、「物理化学」、「化学物理」、「生化学・分子生物学」、「分析化学」から3科目選択で行われ、その中の「無機化学」では問題1、2の2題で、全13問出題された。「基礎科目」の試験時間は、13時00分~15時00分の2時間であった。8月17日の「基礎科目」の終了直後、採点の準備をしていた出題者が13問中の1問に関するミスに気づいたが、訂正する時間は既になかった。

3.受験者の合否判定および受験者への周知について
   この科目を選択した者が不利益を被ることがないように、全員の答案の該当箇所を正解とした。全13問中の1問に関するミスであり(100点中の3点)、 全員が正解したものとしても影響は小さい。なお、選択科目については募集要項記載のとおり、科目間に生じる平均点等の差に対し、科目間の得点調整を行うこととしているため、この科目を選択しなかった受験者への影響は無い。
   今回の出題ミスに関して、一次合格発表の際に掲示し周知するとともに、受験者全員に対して、文書にて通知を行う。また、本学ホームページにおいて周知する。

4.出題ミスの起こった原因とチェック体制について
   問題については、科目出題委員4名が問題案作成後、科目出題委員長が最終版問題を作成し、出題委員が解答作成などの点検を行うと同時に、問題作成とは独立の出題委員が問題を解いて最終点検を行った。その後、出題委員長会議において専攻主任、専攻副主任、各科目出題委員長、複数の運営委員の計12名によって最終確認を行ったが、ミスの発見に至らなかった。

5.今後の対応策
   理学研究科全体で出題ミス防止の対策を講じ、並行して大学院生に解かせるなど、努力しているところであるが、今回、このような出題ミスが起こったことは大変遺憾である。今後は、理学研究科で策定した出題ミス防止のための入試点検チェックマニュアルの実施を更に徹底し、試験問題の作成、チェック体制の問題点を再度見直すことを検討する。特に符号のチェックを含めた誤植チェックの点検システムを導入する。