▲京都大学における臨床研究等データの外部機関への利用許諾に関する規程

令和2年7月28日

達示第45号制定

(目的)

第1条 この規程は、京都大学(以下「本学」という。)の研究者等が行った臨床研究(観察研究を含む。)又は医師主導治験(以下「臨床研究等」という。)の成果として得られた臨床研究等データの外部機関への利用許諾に関し必要な事項を定めることにより、研究者等の研究意欲の向上を図るとともに、臨床研究等データの効率的活用による学術及び産業の発展等に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 「研究者等」とは、次に掲げる者をいう。

 本学の教職員、特定有期雇用教職員、有期雇用教職員及び時間雇用教職員

 本学の客員教授、外国人研究者等であって、かつ、本学との間で臨床研究等データの取扱いについて、この規程の適用を受けることを合意しているもの

 本学の学部又は大学院の学生(研究室に配属されている者に限る。)であって、かつ、本学との間で臨床研究等データの取扱いについて、この規程の適用を受けることを合意しているもの(当該学生が外部機関の役員、従業員等の地位を同時に有する場合は、当該学生がこの規程の適用を受けることについて、当該外部機関の同意があるものに限る。)

 その他受入れに際し、本学との間で臨床研究等データの取扱いについて、この規程の適用を受けることを合意している者

(2) 「臨床研究等データ」とは、次の要件をすべて満たすものをいう。

 研究者等が、自ら企画し、及び立案して行った臨床研究等の結果又はその過程で得られた成果であること。

 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)、医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成17年厚生労働省令第36号)、臨床研究法(平成29年法律第16号)、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)その他の法令等の定めに従い実施された臨床研究等の結果又はその過程で得られた成果であること。

 外部提供について臨床研究等の被験者(以下「被験者」という。)の同意を得たうえで、実施計画書に基づき取得したデータその他の記録、臨床研究等において作成した資料又は臨床研究等によって生じた学術及び財産的価値のある成果であること。

 本学に帰属することとされたもの又は本学による自己使用及び外部機関への提供が契約上禁止されていないものであること。

(3) 「外部機関」とは、本学と共同研究を行う者、本学に研究を委託する者、その他本学に所属する者以外の企業その他の団体及び個人をいう。

(4) 「利用許諾」とは、臨床研究等データを次条第6項に基づき締結した契約の範囲内において外部機関へ利用させることについて有償又は無償で許可することをいう。

(5) 「部局」とは、各研究科、各附置研究所、附属図書館、医学部附属病院及び各センター等(国立大学法人京都大学の組織に関する規程(平成16年達示第1号)第3章第7節及び第8節並びに第9節から第11節まで(第47条第1項に定める組織のうち図書館機構を除く。)に定める施設等をいう。)をいう。

(令3達示29・令4達37・一部改正)

(外部機関への利用許諾)

第3条 研究者等は、臨床研究等データの外部機関への利用許諾を行おうとするときは、あらかじめ所属部局の長に申し出て、その承認を得なければならない。

2 前項の申出を受けた部局の長は、当該申出を行った研究者等の意見を聴取した上で、当該申出の内容が適切であると認められるときは、これを承認するものとする。

3 臨床研究等データの外部機関への利用許諾は、原則として、当該外部機関が非営利機関のときは無償とし、営利機関のときは有償とする。

4 第1項の規定にかかわらず、研究者等が外部機関に有償で利用許諾を行う場合は、あらかじめ部局の長を通じて成長戦略本部長に申し出て、その承認を得なければならない。

5 部局の長は、前項の申出に当たっては、当該研究者等の意見を聴取し、その結果を成長戦略本部長に報告するものとする。

6 第1項又は第4項の場合において、臨床研究等データの外部機関への利用許諾を承認したときは、当該外部機関と契約を締結し、必要に応じ、契約書その他の書面を作成するものとする。

(令6達24・一部改正)

(被験者等の個人情報の保護)

第4条 本学は、外部機関への臨床研究等データの利用許諾に当たり、個人情報の保護に関する法令、指針、ガイドライン等に則り、被験者その他本学に自己の医療情報等を提供した者の個人情報を保護するものとし、外部機関に対してもこれを求めるものとする。

2 本学は、外部機関へ利用許諾を行う臨床研究等データに特定の個人を識別することができる情報が含まれる場合、当該臨床研究等データの提供に先立ち、当該情報の削除その他適切な措置をとるものとする。

(収入の配分)

第5条 臨床研究等データの外部機関への利用許諾により本学が収入を得た場合、当該収入の90%を当該利用許諾に係る臨床研究等を実施した部局に、10%を大学に配分する。

2 前項に定めるところにより部局に配分される部分における当該部局内部での配分は、各部局の定めるところによる。なお、複数部局にて臨床研究等を実施した場合は、当該部局間で配分について協議するものとする。

3 第1項の規定にかかわらず、医学部附属病院先端医療研究開発機構の支援を受けた場合は、その配分額の70%を当該利用許諾に係る臨床研究等を実施した部局に、20%を医学部附属病院先端医療研究開発機構に、10%を大学に配分する。

4 第1項又は第3項に定めるところにより大学に配分される部分については本学が管理し、運営経費等に充てる。

5 臨床研究等データの外部機関への利用許諾により本学が収入を得た場合であって、当該臨床研究等データに本学が臨床研究等を委託し、又は分担した機関(以下「委託等機関」という。)において得られた成果が含まれるときは、第1項又は第3項の規定により当該収入の配分を受けた部局が、当該配分のうちから当該委託等機関に対し対価を支払うものとする。

(雑則)

第6条 この規程に定めるもののほか、臨床研究等データの外部機関への利用許諾に関し必要な事項は、別途成長戦略本部長が定める。

(令6達24・一部改正)

この規程は、令和2年7月28日から施行する。

〔中間の改正規程の附則は、省略した。〕

(令和6年達示第24号)

1 この規程は、令和6年4月1日から施行する。

2 この規程の施行の日前に、改正前のそれぞれの規程の規定によりされた届出、申出、決定、承認その他行為については、改正後のそれぞれの規程の規定によりされた届出、申出、決定、承認その他行為とみなす。

京都大学における臨床研究等データの外部機関への利用許諾に関する規程

令和2年7月28日 達示第45号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第5編 研究等
沿革情報
令和2年7月28日 達示第45号
令和3年6月25日 達示第29号
令和4年3月30日 達示第37号
令和6年3月27日 達示第24号