主役は表現・創作活動にはげむ学生たち。
起点となる作品に感化され、イメージの淵から生みだされた作品をお愉しみください
かみふうせん しらあえ(文学部2回生)
ぼくはきょう
プラネタリウムでにせものの星をみました
白線上の夜を
くぐもった声がまっすぐに走ってきました
わたしはきょう
新月をみつけました
やはりまっくらな夜を
声は帰っていきました
コメント:糸電話で幼いころ遊んだものです。あの細い糸の上を、声が零れ落ちずに伝わってゆく不思議。
作者:アートスタジオ水彩時々ペン 桑原正明さん (文学研究科博士後期課程3回生)
ことばの持つ、どこか張り詰めた、冷たい空気感。
去年の冬、まだ夜も明けきらぬうちに向かった雪の金剛山麓が、ふと脳裏に浮かんだ。
不純物のない、きりりと引き締まった、冬独特の空気感が、そこにあった。
2017/1/25 奈良県御所市鴨神
演奏者:音楽研究会器楽部 飯塚圭亮さん(法学部2回生)
海底に沈む大聖堂がその姿を現し、そしてまた沈んでいくという情景が描かれているこの作品。どことなく聴こえ、しかしたしかに、引き締まった空気中を振動している点で、低く響く鐘の音と糸電話を通じて伝わる声とが重なりあいました。
かみふうせん しらあえ(文学部2回生)
甘く燻るは煙草の火
白けた町飛ぶ冬の蛍(むし)
ウイスキー30ccぶんの熱
ひと夜の夢の代金です
コメント:冬は熱燗がおいしいです。今年はアイリッシュコーヒーを飲んでみたい
作者:アートスタジオ水彩時々ペン 桑原正明さん (文学研究科博士後期課程3回生)
冬は、幻想の灯りが街にあふれている。とりわけ12月はそうだ。クリスマスシーズンに、ひと夜の夢を消費した多くの人びと。そんな人々がはっと我に帰る灯りを描いてみた。穏やかな日常を包み込んで、師走が足早に過ぎ去ってゆく。
演奏者:音楽研究会器楽部 飯塚圭亮さん(法学部2回生)
海底に沈む大聖堂がその姿を現し、そしてまた沈んでいくという情景が描かれているこの作品。どことなく聴こえ、しかしたしかに、引き締まった空気中を振動している点で、低く響く鐘の音と糸電話を通じて伝わる声が重なりあいました。
*2018年夏 更新予定