2024年春号
輝け! 京大スピリット
京大レゴ同好会 会長
松川健人さん(理学部3回生)
印象的な丸い突起のついた直方体、レゴブロック®。誰もが一度は手にしたであろうそれを自在に組み合わせ、驚きの作品を作りだすのが、2020年に誕生した京大レゴ同好会だ。取材に訪れたのは、賑やかな声に溢れる11月祭のキャンパス。とある一室の扉をくぐると、時計台や平安神宮を含む岡崎公園のジオラマ、モーターで動く巨大戦艦など、レゴで作ったとは思えない作品が出迎える。「来場者の反応は上々です」と第2代会長の松川健人さんが案内してくれた。
展示会場でひときわ存在感を放つのが百周年時計台記念館。印象的なデザインの時計盤や地階のカフェも再現した。4万超のピースを使った、約2m四方の大作だ。「入会時にすでに構想はできていて、『こんな大きな作品を作る気なのか』と驚きました」。部室がない分、制作段階では苦労も伴った。大学近くのレンタルスペースを利用し、制作途中の時計台を車で何度も運搬。資金はクラウドファンディングで募り、部員総出で半年をかけて完成させた。
2023年の新作は祇園祭の山鉾。松川さんが設計を担当した。「参考にした作品の車輪はどれも既製品を使用していて、かなり細い。『これでは山鉾じゃない』と、パーツを組み合わせて太い車輪を再現しました」。こだわりは見えない部分にも。山鉾の壮麗な水引は表から綺麗に見えるように、内部で幾重にも複雑にブロックを組み合わせて表現した。「作りたい形を再現できる組み合わせを思いついたときの喜びはほかでは得難いもの。山鉾の設計ではこだわりをつめすぎて、組み立てる際に『どうなってるの?』と会員にも驚かれました(笑)」。
「歩いていると街の風景がレゴに見えてくる」と笑う松川さん。のめり込んだのは中学生から。夏休みに思いつきで中学校の校舎作りに挑戦し、文化祭で展示したのがきっかけだった。「はじめて人に見てもらう嬉しさを経験しました」。同好会では地方自治体などからの制作依頼も受けており、活躍の場を大学外に広げている。「工夫次第でなんでも作れる幅の広さがレゴの魅力。『こんなのも作れるんだ』という驚きを届けたい。制作依頼もお待ちしています」。会場に足を踏み入れた子供達が作品を見て黄色い声をあげた。「嬉しいですね」と顔を綻ばせる松川さん。レゴ同好会の夢のピースは、まだ積み上げ始めたばかりだ。
*作品の制作依頼は、京大レゴ同好会のX(旧Twitter)まで! こちら
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