2022年秋号
輝け! 京大スピリット
KUBS京都大学放送局
局長 太田 翼さん(理学部3回生、写真左)
副局長 岡田有真さん(文学部3回生、写真中央)
制作・機材部長 榊原陽介さん(経済学部2回生、写真右)
心地よい雨の音に耳を澄ませていると、男性の会話が聞こえてくる。どうやら雨の日にしか見かけない不思議な女性の話をしているようだ。やがて軽やかな音楽が流れ、タイトルが読み上げられる。『雨のせい』。KUBS京都大学放送局が制作し、2021年度のNHK全国大学放送コンテスト(Nコン)のラジオ番組部門で優勝を飾ったラジオドラマだ。
アナウンス部門と音声CM部門でも準優勝を果たしたKUBS。過去にも華々しい結果を残しているが、彼らは思いのほか自然体だった。「入賞はあくまで結果。意識しすぎて活動が義務になってしまうと楽しくないので」。局長の太田翼さんは飾らずにそう語る。Nコン以外にも、イベントの司会やラジオ動画の制作など、活動は多岐にわたる。機材や動画編集、脚本作りへの関心から入部した局員も多く、それぞれが思い思いに活動する。「アナウンスや制作などの部門は一応ありますが、『好きなことをしていいよ』という自由さがKUBSの伝統です」と副局長の岡田有真さんはほほ笑む。
自然体のまま活動してきたKUBSだが、2022年4月から自らの殻を破る新しい挑戦に乗り出している。毎週月曜日に放送するインターネットラジオ『今日も京都てAモーニングを』だ。30分の放送枠の中で局員同士の身近なトークを配信する。毎週放送というハードルに尻込みする局員もいたが、率先して牽引したのが番組MCを担当する榊原陽介さん。「話を聞いてすぐに挑戦すべきだと思いました。単発の自由な制作も楽しいですが、継続的に責任を持って番組を作る経験は魅力だなと」。当然作業量は増えるが、「翌週はもっといい番組にしたいと頑張れる」と岡田さん。BGMやジングルを使って生放送の雰囲気を演出したり、裏方の局員をゲストに呼んだりと工夫を重ねる。
進化を続けるKUBS。さらなる目標に掲げるのは局員の個性を最大限に活かした自由なもの創りだ。「KUBSは自らを発信する部活。クリエイター気質でどこかひと癖ある学生が集まっています。そんな局員が興味の赴くままに作品づくりに打ち込める環境をこれからも築きたい」。太田さんの言葉に2人もうなずく。新たな舞台に踏みだした創作者集団から目が離せない。
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