京大ウィークス2019の期間中に全国各地23施設が公開イベントを行いました。(2019年10月5日~11月10日)

ターゲット
公開日

京都大学では、北は北海道から南は九州まで、全国各地に数多くの教育研究施設を展開しています。これらの隔地施設は、本学の多様でユニークな教育研究活動の拠点として重要な役割を果たすとともに、施設公開などを通じて、それぞれの地域社会における「京都大学の窓」として親しまれてきました。

これらの隔地施設の活動をより一層知ってもらうため、一定期間に集中して公開イベントを行う「京大ウィークス」を2011年度から開催しています。

2019年度も「京大ウィークス2019」として、25施設でさまざまな公開イベントを企画しましたが、「令和元年度台風19号」等の影響を受けて中止となった施設があり、23施設での開催となりました。最終的には、全国でのべ4,983名の方々の参加となりました。

「京大ウィークス2019」各施設の公開イベント

北海道 北海道研究林 ミニ公開講座「自然観察会」
岐阜県 飛騨天文台 社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」
愛知県 霊長類研究所 第29回市民公開日
滋賀県 信楽MU観測所 信楽MUレーダー見学ツアー2019

※ 台風19号接近のため、中止となりました。

流域圏総合環境質研究センター 施設公開 「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」

生態学研究センター 一般公開「学校で習わない生き物の不思議」
京都府
芦生研究林 一般公開
花山天文台 特別公開・天文台ギャラリー
宇治キャンパス公開2019「サイエンス探偵宇治支部。探そう!社会を科学で考える鍵」
宇治川オープンラボラトリー 公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」
京大農場オープンファーム2019
上賀茂試験地 秋の自然観察会
大阪府 阿武山観測所 特別講演シリーズ「平成30年大阪府北部地震その後」・施設公開
複合原子力科学研究所 アトムサイエンスフェア 講演会・ 実験教室
和歌山県

※ 天候不良のため、中止となりました。

和歌山研究林 ミニ公開講座

瀬戸臨海実験所 公開ラボ・施設見学「白浜の海の自然と発見」
潮岬風力実験所・白浜海象観測所(合同開催)大気観測の実体験と温度計測機器の紹介
岡山県 岡山天文台 特別公開
山口県 徳山試験地 周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座
徳島県 徳島地すべり観測所 施設公開とジオサイトの野外見学
大分県 地球熱学研究施設 施設公開・講演会・ライトアップ
熊本県 火山研究センター 一般見学会
宮崎県 幸島観察所 公開講座「幸島ニホンザルの観察会」
宮崎観測所 施設見学・公開講座2019「見て・聞いて・楽しく学ぼう!」
鹿児島県 桜島火山観測所 施設探検ツアー・講演会・体験会

北海道研究林 ミニ公開講座「自然観察会」(10月19日(土曜日))

フィールド科学教育研究センター北海道研究林白糠区では、ミニ公開講座「自然観察会」を行いました。

2019年は29名の応募があり、当日は雨天の中、20名の参加となりました。管理棟にて開会式および概要説明を行い、その後、レンタカーで研究林内の遊歩道に移動し、自然観察を行いました。参加者は、2つのグループに分かれ、教員・技術職員の解説を聞きながら遊歩道を歩きました。

参加者からは「個人では踏み込めない場所に行けて、少し専門的な話が聞けてうれしいです」、「参加して良かった」との感想が多く寄せられました。

自動撮影カメラの説明

観察会の様子

飛騨天文台 社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」(10月5日(土曜日)~7日(月曜日))

理学研究科飛騨天文台では、「飛騨天文台 自然再発見ツアー」を開催しました。

このツアーは、高校・大学を出てから時を経て、普段自然や科学からは疎遠な生活を過ごしがちな社会人の方々が、北アルプスや街明りの無い星空をはじめとする美しい自然に囲まれた飛騨天文台とその周辺の山河を訪ね、宇宙や自然の偉大さ、面白さを科学的な視点から再発見することを目的とした企画です。

初日、参加者は日没直後に飛騨天文台を訪れ、アジア最大の口径65cm屈折望遠鏡で木星、土星、月などの天体を観望し、惑星や衛星、さらに太陽系の成り立ちについて学びました。

翌日は、再度飛騨天文台で、月が沈んだ後の満天の星空や天の川、黄道光などを早朝4時から観察する予定でしたが、残念ながらこの時間帯は雲が多く、黒河宏企 理学研究科名誉教授による飛騨天文台の歴史や惑星・太陽に関する研究の概要についての講義を行いました。その後参加者は、ドームレス太陽望遠鏡(DST)や太陽磁場活動望遠鏡(SMART)により、太陽表面やプロミネンスの構造の観察、およびそれらの光を七色のスペクトルに分解した際の見え方を観察しました。また、それらを観測することにより、太陽や天体のガスの成分や運動をどのように定量的に調べることができるのか、太陽と地球との関係、歴史についても考察しました。この日の午後は飛騨天文台を離れ、参加者は近隣にある福地化石館や平湯大滝などを訪れ、飛騨地方の地質学的歴史に触れました。

最終日は、まず乗鞍岳に上山し、高山植物や地層・岩石の様子を観察しました。その後、 飛騨大鍾乳洞を訪れて2億5千万年前の海底が隆起してできた鍾乳石や洞窟の様子を観察し、飛騨地方の地質鉱物学的特徴を学び、ツアーは無事終了しました。

参加者からは、「太陽と地球、そして我々生命が、それらが形成された時代から現在に至るまで、様々な面で密接に関係していたことに改めて気づき、宇宙や天体を急に身近に感じることができるようになった」などの感想が寄せられました。

飛騨天文台 65cm屈折望遠鏡による天体観望

黒河名誉教授による講義

霊長類研究所 第29回市民公開日(10月27日(日曜日))

霊長類研究所では、第29回市民公開日を開催しました。

2019年は10代から70代までの幅広い年齢層から、計68名の参加者があり、研究所周辺の市町村だけでなく、愛知県内や関東、近畿地方など遠方からもたくさんの参加がありました。

当日は、Michael Huffman 霊長類研究所准教授による「インド洋の楽園、スリランカとそのサルたち」の講演後、ニホンザルの放飼場、展示資料室など、研究所内の見学を行いました。

参加者は、熱心に見学や質問をし、「近くの施設を知ることができた。もっとたくさんの方に足を運んでほしいと感じた」、「サルについて、どのように研究しているのかなど、分かりやすかった」などの感想が寄せられました。

講演するHuffman准教授

放飼場にいるニホンザルの様子

信楽MU観測所 信楽MUレーダー見学ツアー2019(11月9日(土曜日))

生存圏研究所信楽MU観測所では、信楽MUレーダー見学ツアーを開催しました。

当日は、午前と午後の部を合わせて151名の参加があり、研究所の教員による電波を使った大気研究についての講演に続いて、教員および観測所スタッフによるMUレーダーおよび光・電波・音波を用いた大気観測装置の見学ツアーを行いました。最後に、気球を用いた大気計測手法(ラジオゾンデ)を説明し、参加者と一緒に気球を放球する観測実演と子供向けの「光の不思議」工作教室を並行して実施しました。

参加者からは、「未知の世界のことばかりであったのでとても興味深く感激した」、「普段見ることのできない施設を見れて、先端科学を少し身近に感じることができました」などの感想が寄せられ、好評のうちに終了しました。

講演の様子

MUレーダーアンテナ面の見学

生態学研究センター 一般公開「学校で習わない生き物の不思議」(10月19日(土曜日))

生態学研究センターでは、一般公開「学校で習わない生き物の不思議」を開催しました。

2019年は10月12日に開催予定でしたが、台風19号接近のため、開催日を変更してイベントを実施しました。定員を超える応募があり、急な日程変更にも関わらず44名の参加がありました。

日程を変更した当日も天候に恵まれず、イベント内容を変更して屋内での開催となりましたが、参加者は、川の生物・森の生物についての学習や、パソコンを使ったシミュレーションによる生物の研究を体験し、楽しい会となりました。

参加者からは「夏にも開催してほしい」、「年2回にしてほしい」などの感想が寄せられ、好評のうちに終了しました。

パソコンを使ったシミュレーションの体験

採集したきのこの観察

芦生研究林 一般公開(10月26日(土曜日)))

フィールド科学教育研究センター芦生研究林では、一般公開を行いました。

このイベントは、本学の教育・研究環境を公開するとともに、訪問者が芦生研究林の自然に親しむ機会として開催しているもので、2019年は、申し込みが必要なプログラムに定員の6倍におよぶ約300名の応募があり、当日は59名の参加がありました。

当日は、教職員によるガイドツアー、実験デモンストレーションや芦生在住者によるミニ講義のほか、資料館開放を実施しました。参加者は、イベントを通して芦生の自然について学び、またそれを研究する科学者と触れ合う機会となりました。

参加者からは「対応も良くしていただき、説明を聞きながら歩くことができてとても良い経験となりました」、「自然をなるべくそのままの姿で残すことはとても大事なことだと思います」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

ガイドツアーの様子

ミニ講義の様子

花山天文台 特別公開・天文台ギャラリー(10月26日(土曜日))

※台風19号接近のため、10月12日開催分は中止となりました。

理学研究科 花山天文台では、特別公開と天文台ギャラリーを開催しました。

2019年は初めての試みとして、「昼の部」と「夜の部」と日程を分けることにしました。残念ながら「夜の部」として予定していた10月12日は、台風19号の接近の影響で中止となりました。一方、特別公開(昼の部)は、開始直後は曇り空だったものの、時間とともに晴れ間が広がり、参加者はリアルタイムの太陽画像や太陽光のスペクトル(虹)を楽しみました。そして、4次元デジタル宇宙シアター、天文台教員らによる講演会などを行いました。天文台ギャラリーでは、宇宙や天文台に関係した芸術作品を展示し、また、「ワークショップ 宇宙と芸術を語る」を開催し、宇宙と芸術について、それぞれの専門家を交えて語り合いました。

参加者からは、「長時間にわたり、説明も良く解り楽しみました」、「宇宙への興味は尽きませんが、太陽への関心が高まりました」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

屈折望遠鏡の説明

天文台ギャラリーの出展作品

土星大観望会の様子

宇治キャンパス公開2019「サイエンス探偵宇治支部。探そう!社会を科学で考える鍵」(10月19日(土曜日)、20日(日曜日))

宇治キャンパスでは、宇治キャンパス公開2019「サイエンス探偵宇治支部。探そう!社会を科学で考える鍵」を開催しました。

このイベントは、宇治キャンパスで行っている科学研究活動の一端を知ってもらうことを目的に、毎年開催しているものです。初めて参加される方も多く、今年は2,000名を超える参加者がありました。

両日とも、研究所等の教員の講演、研究所紹介の展示スペース、普段は見ることができない研究施設や実験室の公開など、幅広い年齢層が楽しめる工夫を凝らしたプログラムを用意しました。体験コーナーでは、参加者は真剣に実験に取り組み、壮大なテーマから身近にある研究や発見まで、バラエティに富んだいろいろな科学の世界とその奥深さを体験しました。 同時開催したスタンプラリーも子どもたちに好評で、たくさんの方が楽しみました。

参加者からは、「子供たちは大喜びでした。京大に入りたい!と言っています。今後も是非続けてください」、「それぞれの特徴があり、また、なかなか見れない実験装置が多くみられてとても貴重な経験でした」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。これからも地域に密着したイベントとして続けていく予定です。

公開ラボ「磁石であそぼう」

公開ラボ「加速器でつくる自由電子レーザーと光の実験」

宇治川オープンラボラトリー 公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」(10月20日(日曜日))

防災研究所宇治川オープンラボラトリーでは、公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」を開催しました。

2019年もWEB事前予約制を導入し、シャトルバスによる送迎を実施しました。当日は好天に恵まれて、231名の来場者がありました。

参加者は、体験学習など通して、視覚的・感覚的に水の強さや水害の恐ろしさを体験しました。参加者からは、「想像以上の自然の力でびっくりした」、「貴重な体験が出来ました」、「災害時には今回学んだことを活かしたい」、「ちょうど台風被害のニュースを見聞きしている時期だったこともあり、水害の恐ろしさを実感することができました」、「是非来年も来ます」などの感想が寄せられ、公開ラボは好評のうちに終了しました。

降雨装置体験

流水階段歩行体験

農場 京大農場オープンファーム2019(11月3日(日曜日))

農学研究科附属農場において、京大農場オープンファーム2019を開催しました。

このイベントは、地域の人々に農業に触れる機会の提供、京大農場の最新の施設・設備の見学、農業技術の開発と実証を目指した京大農場の取り組みの紹介を目的に、毎年開催しているもので、2019年は868名の来場者がありました。

「『京大農学部の研究』市民の方に紹介します」を基本テーマとした公開講座を開催するとともに、農場内を巡る農場ツアー(水田・果樹コース、蔬菜・花卉コース)、農業体験実習「イネの収穫」、「カキの収穫」、公開ラボ「渋柿の渋抜き」、「野菜のビタミンCを調べよう」といった企画と、各種展示や農場農産物の即売、さらに、「農業機械 自動走行デモンストレーション」等を通して、農業生産に関わる先端的研究、農学教育、実践的農業生産など、多面的機能を有する附属農場の活動内容を公開しました。

好天にも恵まれ、農産物の即売や農場ツアーは大盛況でした。公開ラボや農業体験実習の人気も高く、事前受付で早々に定員は埋まり、実験器具展示やポスター展示では参加者が熱心にスタッフの説明に聞き入っていました。公開講座も参加者は講義に集中している様子で、講義後には活発な質疑応答が行われました。

参加者からは、「京大の取り組みを知ることができました」、「来年も参加したい」との感想が多数寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

農業機械自動走行デモンストレーション

公開ラボ「渋柿の渋抜き体験」

上賀茂試験地 秋の自然観察会(11月9日(土曜日))

フィールド科学研究センター上賀茂試験地では、秋の自然観察会を開催しました。

2019年は例年を上回る申し込みがあり、抽選の結果、37名が参加しました。当日は3班に分かれて、天然のヒノキ林や世界中のマツ属樹種が植栽された見本林をスタッフの解説のもと散策しました。

参加者からは「樹木の多様な形態がわかり楽しめた」、「動物との関わりが見られてよかった」などの感想が寄せられました。

色づき始めたラクウショウについての解説

種子交換業務の解説と発芽の様子を観察

阿武山観測所 特別講演シリーズ「平成30年大阪府北部地震その後」・施設公開(11月9日(土曜日)、10日(日曜日))

防災研究所阿武山観測所では、特別講演シリーズ「平成30年大阪府北部地震その後」と施設公開を開催しました。

施設公開は、一人でも多くの方に観測所に足を運んでもらい、地震研究の場を肌で感じていただくことを目的に毎年開催しているものです。普段の見学会では、公開していない施設の公開や特別講演等を実施しています。

2019年は、高槻市に位置する観測所として、昨年、北摂地域を中心に大きな被害をもたらした大阪府北部地震をテーマとした特別講演シリーズ「平成30年大阪府北部地震その後」を実施しました。また、国土地理院の協力を得て、近代測量150周年を記念して観測所が所有する歴史的な測量機器の展示を行った他、歴代地震計や工作機械等の展示も行いました。

天候にも恵まれ、両日合わせて180名の参加がありました。また、メディア取材も入るなど、関心の高さがうかがえました。参加者からは、「歴史的な建物のなかに歴史的な機器が動いてるかたちで展示されており、感動した」、「観測所は初めて観測させていただきましたが、地震計などの過去がいろいろ知れてとてもいい経験になりました」、「去年は無かった測量機器は面白かった」、「地震計の仕組み、講演で防災に対する取り組みがよく理解できた」などの感想が寄せられ、好評のうちに終了しました。

講演後の質疑応答

測量機器特別展示会場

複合原子力科学研究所 アトムサイエンスフェア講演会・実験教室(10月19日(土曜日)、27日(日曜日))

複合原子力科学研究所では、アトムサイエンスフェア2019を開催しました。

このイベントは、幅広い年齢層の一般の方々に広く科学に興味を持ってもらうことを目的として、毎年開催しているものです。

10月19日に開催した講演会には48名の参加があり、「東京電力福島第一原子力発電所事故の環境への影響について」と題したテーマで2つの講演を行いました。講演後には活発な質疑応答が行われ、「安全・安心につながるようになれば良いと思いました」などの感想が寄せられました。

10月27日に開催した実験教室には45名の小・中学生が参加し、2つの実験と4つの体験を行いました。「科学のことについてもっと知りたくなりました」などの感想が寄せられました。

実験教室「びっくり科学手品」の様子

講演する谷垣実 複合原子力科学研究所助授

瀬戸臨海実験所 公開ラボ・施設見学「白浜の海の自然と発見」(10月26日(土曜日))

フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所では、公開ラボと施設見学「白浜の海の自然と発見」を開催しました。

このイベントは、瀬戸臨海実験所の研究教育とそれを取り巻く海の環境について、広く知ってもらうことを目的として開催しています。2013年からは、実験所が管理する畠島の自然保護についても焦点を当て、畠島のフィールド観察を取り入れてきました。募集開始日に応募数は定員に達し、最終的な参加者は19名(地元の和歌山県9名、その他の近畿地方10名)でした。畠島への渡航は、悪天候により中止となることが続いたため、今回は概ね海況が良い午前中に実施することにしました。

当日の朝、「実験所の歴史と活動」と「畠島の自然保護」について簡単な講演を行い、その後、研究実習船ヤンチナ号に乗って畠島へ上陸しました。干潮時の海岸を散策しながら、参加者が発見した生物を一緒に観察するとともに、参加者からの質問に応じて、畠島の地質や歴史などについても解説しました。昼頃に実験所に戻り、白浜水族館の紹介をして解散となりました。その後、参加者は館内を自由に観覧しました。今回の無人島への上陸体験は参加者の印象に強く残ったようで、「実験所の活動とともに自然保護に対しても理解が深まった」との声が多く寄せられました。

白浜水族館での地元の海を再現した水槽の見学

海洋生物を実際に手に取って観察

潮岬風力実験所・白浜海象観測所(合同開催)大気観測の実体験と温度計測機器の紹介(10月5日(土曜日))

防災研究所潮岬風力実験所は、白浜海象観測所と合同で、「大気観測の実体験と温度計測機器の紹介」を開催しました。

当日は20名の参加がありました。気球に気象測器をつけて上空の気温、湿度、風、高度を測るGPSゾンデ観測を行った後、気圧計、温度計、湿度計、風向計、風速計、日射計、雨量計などの気象測器について仕組みを紹介しました。また、参加者はペットボトルを使った風力発電実験キットを作成し、扇風機でLEDを発光させる実験を行いました。

参加者はゾンデから無線でリアルタイムでデータが送られてくる様子を興味深そうに見守ったり、日頃、気象について疑問に思っていることを教員に質問し、イベントは盛況のうちに終了しました。

実験所本館屋上にある気象測器の説明

ペットボトルで風力発電用の羽根を作成する様子

岡山天文台 特別公開(10月5日(土曜日))

理学研究科岡山天文台では、特別公開を開催しました。

この特別公開は、岡山天文台とせいめい望遠鏡の本学初の一般公開で、約400名の参加がありました。

当日は、岡山天文台3F望遠鏡ドーム内を公開し、せいめい望遠鏡の姿を間近で見学、解説は教員が30分ごとに交代で行う「せいめい望遠鏡リレー解説」を行いました。また、隣接する国立天文台188cm望遠鏡ドーム内において、柴田一成 理学研究科教授による特別講演「せいめい望遠鏡の目指すサイエンス:天体爆発現象とスーパーフレア」と野上大作 同准教授による小学生向け講演「せいめい望遠鏡のココがすごい!」を行いました。東アジア最大級口径3.8mのせいめい望遠鏡への参加者の関心は高く、幅広い年齢層がせいめい望遠鏡の意義・研究テーマについて理解し、これからのせいめい望遠鏡の活躍に期待を寄せていました。

せいめい望遠鏡リレー解説の様子

国立天文台188cm望遠鏡ドーム内での講演の様子

徳山試験地 周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座 (10月5日(土曜日))

フィールド科学教育研究センター徳山試験地では、周南市との連携で公開講座を開催しました。

今回のイベントは、周南市・山口市・下関市から27名の参加者があり、午前と午後で場所を変えて実施しました。午前は徳山試験地において、日本の伝統文化である檜皮葺の歴史や技術の一端を紹介しました。また、参加者は屋根模型を用いた檜皮を葺く実演体験や、檜皮の素材を檜皮葺き作業用に整える作業を体験しました。その後、試験地内のヒノキ人工林で、檜皮採取に関する解説等を行いました。午後からは、周南市西緑地(旧徳山試験地)で樹木の観察を行いました。

参加者からは、「プロがやっている時は簡単に思えたけど、いざやってみるとすごく難しくておもしろかった」、「知らない世界に触れることが出来てうれしい」などの感想が寄せられました

ヒノキ人工林での檜皮採取に関する解説の様子

屋根模型を用いた檜皮を葺く実演体験

徳島地すべり観測所 施設公開とジオサイトの野外見学(11月2日(土曜日))

防災研究所徳島地すべり観測所では、施設公開とジオサイトの野外見学会を開催しました。

このイベントは地域の方々に本観測所の役割を伝え、さらに地すべり研究の最前線を知ってもらうことを目的に防災研究所・斜面災害研究センターが毎年実施しているものです。2019年は10月12日に開催予定でしたが、台風19号接近のため、開催日を変更してイベントを実施し、19名の参加がありました。

当日はまず、観測所の本館施設において参加者に実際に調査機器に触れてもらい、国内・世界各地の地すべり災害の調査の様子を紹介ました。その後、参加者はバスに乗り、四国の地質を理解する地質や地形(ジオサイト)の見学や過去の災害をもたらした地すべりの現場、地すべりが動かないように対策している現場を見学しました。

参加者は熱心に説明に耳を傾け、「地元のことがよく分かった」、「わかりやすく実感を持って地すべりや地質を知ることができた」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

地すべり模型を用いた説明

地質の成り立ちを説明する様子

地球熱学研究施設 施設公開・講演会・ライトアップ(10月25日(金曜日)、26日(土曜日))

理学研究科地球熱学研究施設では、10月26日に施設公開と公開講演会を、また、10月25日と26日の両日に登録有形文化財建物のライトアップを開催しました。

天候に恵まれ、施設公開に112名、公開講演会には11名の参加がありました。このイベントは広く一般の方々に当施設への理解と関心を深めていただくことを目的に開催しています。施設公開では2教室と屋外での実験に分かれて、展示や体験、実験などを行いました。展示では積極的に質問が寄せられ、体験コーナーでは、参加者がガチャ玉地球儀や折り紙地球模型などを作成しました。実験コーナーでは岩石が溶け、マグマのように流れていく様子を観察し、参加者は驚きの声を上げていました。また、公開講演会では参加者は熱心に聞き入り、多くの質問がありました。

参加者からは、「子どもにもわかりやすく、大人も楽しめる内容でした」、「来年もまた参加したい」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

登録有形文化財建物である本館のライトアップ

施設公開「VR(ヴァーチャル・リアリティ)による散策」

施設公開「地球模型作り体験」の様子

火山研究センター 一般見学会(7月27日(土曜日))

理学研究科火山研究センターでは、一般見学会を開催しました。

この見学会は、本学の火山研究に関する成果などを地元に周知することを目的に、2001年からセンター独自で行っており、2012年からは京大ウィークスとして開催しているものです。2019年も、京大ウィークス2019期間外の7月27日に開催しました。阿蘇火山の活動が活発化していることもあり、113名の参加者は皆熱心に火山研究の最前線に関する説明に耳を傾けていました。

参加者からは「火山のしくみが良く解った」、「毎年少しずつグレードアップして、何か新しいものがあって、楽しませていただいています」などの意見が寄せられました。

VR(ヴァーチャル・リアリティ)の体験コーナー

研究ポスター展示の解説

幸島観察所 公開講座「幸島ニホンザルの観察会」(11月10日(日曜日))

野生動物研究センター幸島観察所では「幸島ニホンザルの観察会」を開催しました。

当日は県内外から24名の参加者が集まり、午前中は島に渡り、解説を交えながら、サルのイモ洗い行動の観察を行いました。参加者はニホンザルがイモを洗う様子を双眼鏡を使って観察しました。また、参加者は島内を散策しサルたちが本来生息している環境を観察しました。

午後からは技術職員による幸島のニホンザルについての講義、教員によるニホンザルのねむりについての講義を行いました。講義では、活発な質疑応答が行われ、参加者からは「イモ洗いや麦洗いが見られて感動しました」、「TVや本で伝わらないものがありました」などの感想が寄せられました。

辛島でのサルの観察

講義の様子

宮崎観測所 施設見学・公開講座2019「見て・聞いて・楽しく学ぼう!」(10月21日(月曜日)、22日(火曜日・祝日))

防災研究所宮崎観測所では、施設見学・公開講座「見て・聞いて・楽しく学ぼう!」を開催しました。

2019年は、5月10日にM6.3の地震が日向灘で発生したことを受け、テーマを「地震」に設定し、2日間にわたり開催しました。両日ともに定員を上回る申し込みがあり、2日間で47名が参加しました。

教員による講演の後、4班に分かれて観測坑道見学、地震計計測、GNSS観測、地震動シミュレーター「地震ザブトン」による地震動の各体験コーナーと大学院生との交流を順次行いました。参加者からは、教員や大学院生に多くの質問が寄せられ、地震への関心の高さがうかがえる2日間となりました。

参加者からは「知識が増えた」、「日頃の防災意識向上に生かしたい」などの感想が寄せられ、2回目の一般公開も昨年に引き続き盛況のうちに終了しました。

観測所教員による講演の様子

GNSS観測説明の様子

桜島火山観測所 施設公開ツアー・講演会・体験会(10月26日(土曜日)、27日(日曜日))

防災研究所桜島火山観測所では、10月26日に施設公開ツアーと講演会を、27日に体験会を開催しました。

施設公開ツアーは、火山観測の最前線を紹介することを目的に、午前と午後の2回開催され、合計69名の参加がありました。当日は天候に恵まれ、間近で見る桜島山頂の絶景に参加者は圧倒されました。また、普段入ることが出来ない観測坑道内部での観測器機の詳しい解説が行われ、井口正人 防災研究所教授による「桜島から火山を知る」と題した講演会では、参加者から噴火の仕組みや予測について多くの質問が挙がり、いずれも好評でした。

そして、27日の体験会では、参加者は地震計制作と火山灰観察を体験しました。参加者からは、「地震計の原理を知ることが出来て良かった」、「火山灰を拡大して見ると迫力があり、分かりやすかったです」、「施設公開をしていただくと、観測所が身近になり、より関心が高くなり住民の信頼が上がると思います」などの感想が寄せられ、体験会も好評のうちに終了しました。

桜島の北岳と南岳を展望する様子

施設公開ツアー「観測坑道内計測機器」の解説