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市川温子 理学研究科 准教授、中平武 高エネルギー加速器研究機構 准教授、早戸良成 東京大学 准教授らの研究グループは、ニュートリノが空間を伝わるうちに別の種類のニュートリノに変化するニュートリノ振動という現象において「粒子と反粒子の振る舞いの違い」の大きさを決める量に、世界で初めて制限を与えることに成功しました。
CP位相角と呼ばれるこの量は、ニュートリノの基本的性質を示す量の一つであり、理論的には-180度から180度の値を取り得ますが、これまで全く値がわかっていませんでした。今回、CP位相角の取り得る値の範囲の半分近くを99.7%(3シグマ)の信頼度で排除することに成功しました。本研究成果は、ニュートリノについての未解明の問題の一つである、粒子と反粒子が異なる振る舞いをするかどうかという問題に大きく迫る成果です。
本研究成果は、2020年4月16日に、国際学術雑誌「Nature」のオンライン版に掲載されました。
詳しい研究内容について
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41586-020-2177-0
【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/250873
K. Abe et al. (2020). Constraint on the matter–antimatter symmetry-violating phase in neutrino oscillations. Nature, 580(7803), 339-344.
- 京都新聞(4月16日夕刊 6面)および中日新聞( 4月16日 23面)に掲載されました。