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前田啓一 理学研究科准教授、川端弘治 広島大学教授、 Anders Jerkstrand スウェーデン・ストックホルム大学研究員の研究グループは、通常の超新星の10倍以上明るく輝いた特異な超新星SN2006gyの正体を解明しました。
2000年代以降新たに発見された非常に明るい「超高輝度」超新星はそのエネルギー源が謎であり、どのような星が爆発したのかが特定されていませんでした。本研究グループは、その代表例とされるSN2006gyの観測データを良く説明できる新たな理論モデルを構築し、その正体が従来考えられていたような大質量星の特異な爆発ではなく、白色矮星の核暴走爆発であるIa型超新星であることを明らかにしました。
このような超高輝度「Ia型」超新星は、白色矮星と通常の星からなる連星が合体した際に生じると考えられ、激しい恒星合体過程の詳細を知るうえで重要な示唆を与えます。また、超高輝度超新星を用いた遠方宇宙の探査の基礎の構築につながると期待されます。
本研究成果は、2020年1月24日に、国際学術誌「Science」に掲載されました。
詳しい研究内容について
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1126/science.aaw1469
Anders Jerkstrand, Keiichi Maeda, Koji S. Kawabata (2020). A type Ia supernova at the heart of superluminous transient SN 2006gy. Science, 367(6476), 415-418.