固溶ナノ合金の量産化技術を確立 -大気汚染物質や温室効果ガスの排出削減により持続可能な社会の実現に貢献-

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北川宏 理学研究科 教授、株式会社フルヤ金属らの研究グループは、これまで安定量産化が困難とされていた数ナノメートル(nm:ナノは10億分の1)の固溶合金の連続合成が可能な量産化技術を開発しました。本技術により、一般的な液相還元法では困難とされていた1nm級の固溶合金およびその担持触媒の安定な連続合成に成功しました。

従来の手法では、良質かつ安定して連続的に固溶ナノ合金を合成することが困難でした。今回、新たに開発し、フルヤ金属に導入されたソルボサーマル合成法を応用した連続フロー型製造装置では、合金の品質を均一に保ちながら連続的な生産が可能であり、大量生産も期待されます。

本合成装置で新たに開発した固溶ナノ合金は、混ぜ合わせることが不可能とされてきた金属から成る新合金であり、合金の物理的、化学的な性質はナノスケールまで減少させると劇的に変わることが触媒科学を始めとして多くの研究分野で知られています。開発された固溶ナノ合金は、さまざまな排ガスの浄化や原料を基礎化学品やエネルギーに効率的に変換する革新的触媒として期待され、環境浄化や二酸化炭素の排出が少ない製造技術など、持続可能な社会の実現に大きく貢献するものと考えられます。すでに、自動車などの排ガス浄化触媒や化学プロセス触媒として評価中であり、国内外の企業や研究機関との協業により社会実装に向けた開発を進めています。

本技術のさらなる応用展開により、量産化技術がなかった固溶ナノ合金材料の実用化や作製が困難であった新たな固溶ナノ合金材料の開発が期待されます。

図:ソルボサーマル連続フロー型固溶ナノ合金担持触媒製造装置の概略

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