大地震に対する水利施設の挙動の高精度計算を実現 -農業ダムなどの安全性評価に直結する汎用的時間積分スキーム-

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Vikas Sharma 農学研究科 研究員(現・インド工科大学ボンベイ校博士研究員)、藤澤和謙 同准教授、村上章 同教授らの研究グループは、農業用ダムなど水利施設の大地震に対する複雑な挙動を正確に予測するため、独自に開発した「速度型Space-Time有限要素法」を利用して、新たな汎用的動的応答解析法による高精度計算を実現しました。

本手法は、従来法では不可能であった時間方向の計算精度調節を可能にするだけでなく、幅広い形の応力からひずみ関係に対応することから、広範な材料の動的応答解析に適用可能な、画期的かつ実用的な計算スキームを提供します。

現在、大地震に対する農業水利施設(ダムやため池など)といった社会基盤の強靭化が求められており、本研究成果はそれら施設の安全性評価に直結する実用的な成果として期待されます。

本研究成果は、2019年6月3日に、国際学術誌「International Journal for Numerical Methods in Engineering」のオンライン版に掲載されました。

図:時空間要素(左)と貯水を有するダムの地震応答(右)

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1002/nme.6134

Vikas Sharma, Kazunori Fujisawa, Akira Murakami (2019). Space‐time finite element procedure with block‐iterative algorithm for dam‐reservoir‐soil interaction during earthquake loading. International Journal for Numerical Methods in Engineering, 120(3), 263-282.