成人単一臍帯血移植における予後予測因子を解明 -初の日欧国際共同研究-

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諫田淳也 医学部附属病院 助教、熱田由子 日本造血細胞移植データ センター長、Éliane Gluckman ユーロコード 教授、Arnon Nagler 欧州血液骨髄移植学会 教授らの研究グループは、日欧における臍帯血移植の予後予測因子を明らかにしました。

同種造血幹細胞移植は再発・難治性白血病に対して根治が期待できる治療法です。臍帯血は、HLA一致ドナーに代わる代替移植ソースとして急速に拡大しました。そこで、本研究グループは日欧共同研究基盤を確立し、人種によらない普遍的な予後予測因子を見出すため、成人急性白血病患者を対象とした、日本と欧州ではじめての国際共同研究を行いました。そして、日欧で患者背景や治療内容は大きく異なるものの、移植時病期や患者年齢、移植年、臍帯血有核細胞数などが移植成績に与える影響が、極めて類似していることを示しました。

本研究成果は、今後、日本と欧州の共同研究を加速させるための重要な基礎データであり、本データをもとに、国際共同後方視的研究や介入試験が計画される予定です。

本研究成果は、2019年8月14日に、国際学術誌「Leukemia」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究のイメージ図

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41375-019-0534-5

Junya Kanda, Hiromi Hayashi, Annalisa Ruggeri, Fumihiko Kimura, Fernanda Volt, Satoshi Takahashi, Myriam Labopin, Shinichi Kako, Karina Tozatto-Maio, Shingo Yano, Guillermo Sanz, Naoyuki Uchida, Maria Teresa Van Lint, Seiko Kato, Mohamad Mohty, Edouard Forcade, Heiwa Kanamori, Jorge Sierra, Yuju Ohno, Riccardo Saccardi, Takahiro Fukuda, Tatsuo Ichinohe, Minoko Takanashi, Vanderson Rocha, Shinichiro Okamoto, Arnon Nagler, Yoshiko Atsuta & Eliane Gluckman (2019). Prognostic factors for adult single cord blood transplantation among European and Japanese populations: the Eurocord/ALWP-EBMT and JSHCT/JDCHCT collaborative study. Leukemia.