高源 工学研究科博士課程学生、村井俊介 同助教、田中勝久 同教授、篠崎健二 産業技術総合研究所研究員、邱建備 昆明理工大学教授は、ガラスの結晶化技術を用い、新規白色LED用蛍光体の開発に成功しました。
現在広く普及している白色LEDはオレンジ色が不足しているため、冷たい色になることが欠点でした。これを克服するために複数の蛍光体を混ぜる研究がなされていますが、色の均一性や有機樹脂バインダーの劣化などの課題がありました。
本研究では、ガラス中にオレンジ色と青から緑色に発光する2種類の蛍光体結晶を均一に析出する技術を開発することで、これらの問題を解決しました。結晶がガラス中に均一に析出することで色ムラの無い暖かみのある白色光の発生が可能となり、また、ガラスは成形性があるため有機樹脂バインダーが不要になります。今後、現在普及している蛍光体より演色性が高く、高耐熱性でハイパワー光源への適用が可能な材料の開発が期待されます。
本研究成果は、2019年5月24日に、国際学術誌「ACS Applied Electronic Materials」のオンライン版に掲載されました。
詳しい研究内容について
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1021/acsaelm.9b00129
Yuan Gao, Shunsuke Murai, Kenji Shinozaki, Jianbei Qiu and Katsuhisa Tanaka (2019). Phase-Selective Distribution of Eu2+ and Eu3+ in Oxide and Fluoride Crystals in Glass-Ceramics for Warm White-Light-Emitting Diodes. ACS Applied Electronic Materials, 1(6), 961-971.