ターゲット
公開日
沼田英治 理学研究科教授、遠藤淳 同研究員、高梨琢磨 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員、向井裕美 同研究員らの研究グループは、国内で広く見られるクサギカメムシにおいて、卵塊中のある卵が孵化を始めて殻が割れた瞬間、発生した振動が周りに感じとられ、一斉に孵化が起こることを発見しました。
本研究グループは、まず、レーザドップラ振動計を用いて卵が割れる瞬間の短いパルス状振動を記録しました。続いて、記録した振動を人工的に再現して孵化前の卵に与える実験を行い、この振動に速やかな孵化を促す効果があることを確認しました。卵が割れる振動に反応するという、一斉孵化の単純で巧妙なメカニズムが初めて示されました。
本研究成果は、2018年12月28日に、国際学術誌「Current Biology」のオンライン版に掲載されました。
詳しい研究内容について
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1016/j.cub.2018.11.024
【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/235960
Jun Endo, Takuma Takanashi, Hiromi Mukai, Hideharu Numata (2018). Egg-Cracking Vibration as a Cue for Stink Bug Siblings to Synchronize Hatching. Current Biology, 29(1), 143-148.e2.
- 朝日新聞(12月29日 25面)、京都新聞(1月15日夕刊 8面)および読売新聞(1月25日 19面)に掲載されました。