京都大学は、ザンビア共和国のザンビア大学と大学間学術交流協定を締結しました。本協定は、アフリカ地域研究資料センターが中心となり、農学研究科、アジア・アフリカ地域研究研究科、地球環境学堂ともに提案されました。
ザンビア大学は、ザンビア共和国の首都ルサカにある国立大学です。1966年に設立され、当初は教育学学部、人文社会学部、自然科学部の3学部体制でしたが、その後、法学や農学、鉱山学分野の学部を新設していきました。
京都大学とザンビア大学とは、主に農学、地域研究の分野で学術交流を深めてきました。梅津千恵子 農学研究科 教授、真常仁志 同准教授(地球環境学堂兼任)らが、ザンビア研究機関との共同研究の一環として2007年から定期的にルサカにてワークショップを開催し、農学研究科の教員、大学院生、およびザンビア大学の研究者らが参加しました。また、原田英典 地球環境学堂助教は、衛生や下痢の問題が深刻化しているルサカ郊外地区を対象に、衛生リスクデータを用いた参加型衛生プランニングの研究を同大学研究者と共同で実施しています。
アフリカ地域研究資料センターでは、故・掛谷誠 名誉教授が1990年より北部州ムピカ県およびサンフィア県において生態人類学的な調査を継続してきました。現在では地理学を専門とする大山修一 同准教授がザンビア大学社会・経済研究所と連携しながら、研究・教育活動を進めています。2002年から開始された21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成プログラム」により、2003年には首都ルサカにザンビア・フィールド・ステーションも設置され、南部アフリカでフィールドワークを実施する際の拠点となっています。
本協定の締結により、アフリカ地域における本学の協定校の数は12校となりました。本協定を通じて、アフリカ南部への拠点網を整備するとともに、現地調査等をより円滑かつ広範囲に実施することができ、将来の学生交流・共同研究の大きな飛躍が期待されます。