本学は岡山大学と中央水産研究所、さらにチリの3大学と共同で赤潮の発生メカニズム解明と早期発生予測を目指す研究プロジェクトの立ち上げにあたり、キックオフ・シンポジウムを京都大学東京オフィスにて開催しました。
このプロジェクトは、赤潮で沿岸漁業および養殖が大きな被害を受けているチリで、産官学が連携して赤潮の早期予測システムを構築し、地域産業の安定化を目指すものです。同プロジェクトは、日本と開発途上国の研究機関が、環境や防災など、国際社会が協力して対応すべき課題の解決に向けて共同で研究を行う地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に採択されました。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援を受け、2018年4月から5年間行われる予定です。
今回のシンポジウムは、日本側チームの研究代表者である本学の丸山史人 医学研究科准教授と京都大学学術研究支援室(KURA)が中心となって企画し、プログラムメンバーである国内の研究者やプロジェクトに関わる関係者らが集いました。
冒頭では、本学を代表して三橋紫 国際戦略本部副本部長が挨拶に立ち、過去に日本人がチリのサケ養殖事業の支援に奔走した歴史を振り返りながら「本プロジェクトでラテンアメリカとの関係が深くなることを期待しています」と述べ、プロジェクトが世界の食のサステナビリティに寄与できるよう、参加者に協力を呼びかけました。また来賓からはGustavo Ayares 駐日チリ大使や長峰司 JST研究主幹、前田秀 JICA理事が、それぞれプロジェクトへの期待の言葉を述べました。
基調講演が行われた後、最後に丸山准教授が「研究協力者が一同に介して顔を合わせることができ、スタートにあたって大変意義ある機会となりました」と語り、今後の円滑な共同研究の遂行を誓いました。その後の意見交換会では参加者らが活発に意見を交わし、シンポジウムは盛会のうちに幕を閉じました。
チリでのキックオフ・シンポジウムは今年9月にサンチアゴで開催される予定です。