理学研究科附属岡山天文台「せいめい望遠鏡」完成記念式典を行いました。(2019年2月20日)

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理学研究科附属岡山天文台(岡山県浅口市)の「せいめい望遠鏡」の完成記念式典が行われました。

「せいめい望遠鏡」はアジア最大級となる口径3.8メートルの光学赤外線反射望遠鏡で、光赤外線天文学大学間連携の一環として開発され、2018年7月に完成しました。このたび、分割鏡の初期調整を終え、国立天文台を窓口とする全国共同観測利用を開始しました。

主鏡は扇形の鏡18枚を組み合わせて1枚の鏡とする「分割鏡方式」を国内で初めて採用し、栗田光樹夫 理学研究科准教授、岩室史英 同准教授、木野勝 同助教らが開発した制御システムにより、ナノメートルレベル(ナノは10億分の1)というきわめて高い精度で各鏡の位置を補正することが可能です。また、超新星爆発など突発的な天体現象を素速くとらえるために、主鏡を支える架台に鉄パイプによるフレーム構造を採用するなど、大幅な軽量化も達成しました。そのほか、暗い光をとらえる特殊な観測装置による太陽系外惑星の観測でも成果を期待されています。

せいめい望遠鏡ドーム内で行われた記念式典には約80名が出席しました。また、式典の模様は浅口市健康福祉センターとキャンパスプラザ京都に中継され、それぞれ約160名と約30名が参加しました。式典では、山極壽一 総長が「京都大学の天文台が、アジア最大級の望遠鏡を持つまでに成長できたことは大きな喜び」と挨拶しました。また、柴田一成 理学研究科附属天文台長は記者団に対し、「突発天体すなわち宇宙の爆発現象を、なんと1分以内で観測できる体制が整った。多くの市民のみなさんには、世界最高の技術をぜひ見に来ていただきたい」とコメントしました。

式典後の祝賀会には音楽家の喜多郎氏がお祝いにかけつけ、「古事記と宇宙」の映像つきライブ演奏が行われるなど、盛会のうちに終了しました。

せいめい望遠鏡の全体像

せいめい望遠鏡の主鏡

記念式典でのテープカットの様子(左から柴田天文台長、平野丈夫 理学研究科教授、山極総長、西井知紀 文部科学省研究振興局学術機関課長、常田佐久 国立天文台長)