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京都大学メールマガジン Vol.5
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目次:
◆バンコクとアユタヤの旅 尾池和夫
◆同窓会
◆おすすめサイト
◆トピックス
◆ニュースリリース
◆イベントのお知らせ
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◆バンコクとアユタヤの旅 尾池和夫
2006年11月6日から4日間、タイのバンコクで東アジア地震学国際学会があり、基調講演に招待されて参加した。久しぶりに専門の分野の人たちと会えるのもうれしかった。
学会の内容の話は、またどこかに書くことにして、最後の日に少し時間を工面してバンコクから北へ小旅行を試みたので、そのことを報告したい。
今年はとくにチャオプラヤ川に沿って雨期の洪水がひどく、バンコクの郊外からアユタヤにかけて水浸しの状況が続いているという話を聞いて、その状況をこの機会に見ておきたいと思ったからである。立場上、洪水の地域を見に行ったりするのは、もしかしたらまずいかなとも思ったが、こういう場合、やはり地球物理学者としての関心の方が、優先するのは仕方がないことである。
アユタヤへ行くには、チャオプラヤ川を船でのぼっていくのもよいし、高速道路でいくのもよい。船で行くには朝7時前に出発しないといけない上に、2時間も乗っていていやになっても途中で降りる機会もなさそうである。私たちは後者を選んだ。その他に鉄道もある。
ホテルを10時に出発して車はひたすら北へ走る。高速道路の料金は90バーツである。利用者が多く、最近値下げになったそうだ。両側にバナナやマンゴーの木がたくさんある。マンゴーの実は年中あるが、とくに4月にはたくさん実がぶらさがる。
バンコクの郊外の高層マンションがレンタルで月1万円くらいだという。日本人の企業人も出入りが多いのでレンタルが多い。高級住宅も多く、いずれも大きな家に広い庭がついている。高速道路で30分くらい走ると東芝などの工場があり、広大な林があり、ヤシの実がふさふさとなっている。今年の雨期はとくに大雨があった。今はその雨期が終ったところで、水田は水びたしになっているし、水につかっている家も多い。タイの人たちが仏に供える蓮の花もあちこちに咲いているが、その池と田畑の区別がつかない。
水没したバナナの木や砂糖キビは枯れかけている。もう2か月も水につかったままだという。この地域一帯に高床式にした家が多いから、ここではたびたび水につかるのかもしれない。だからこそ豊かな土地になって米がたくさん採れるのだろう。
10時40分に高速道路が終って、車窓は焼畑や水没した田畑に近くなる。蓮も一年中咲いているし、米もいつでもとれる。ピンクの蓮の花が大きい。
まもなくチャオプラヤ川に接近して走る道になった。水でひたひたになった大地に道をつけた感じで走っている。民家は床を高くしてあるが、幼稚園の庭は水びたしで、水の中にブランコやすべり台がある。道路脇のバス停の小屋も高床である。
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バンパインに10時55分に着いた。ここには王様の別荘がある。宮殿は公開されているので入ってみると、広い庭園の長い道の両側にはマンゴーの木が並んで花をつけている。ずいぶん多くの種類のマンゴーがある。離宮を一時間ほど見学して山田長政の遺跡へ立ちよってアユタヤに向った。
アユタヤ王朝は1351年に始まり、現在のタイの中部を中心に展開したタイ族による王朝であった。1767年にアユタヤ王朝が滅亡したとき、アユタヤの町はビルマ軍に徹底的に破壊された。そのためビルマ退却の後、新たに王となったタークシンは、アユタヤ再興をあきらめトンブリーへと遷都した。
アユタヤは、東西約7キロ、南北約4キロの、四方を川に囲まれた島の町である。都としてのアユタヤは、この水を利用して、中国、ペルシャ、ヨーロッパとも交易し、一度は東南アジア最大の都市へと発展した。17世紀には日本との御朱印船貿易によって、1500人の日本人町が形成され、山田長政が傭兵隊長として名を残した。
この地域のほとんどは平らな湿地帯、チャオプラヤ・デルタである。米の生産に適した地域で、米の生産と運搬のための運河がたくさん建設されている。アユタヤの生産物のほとんどが米であると言える。
ワット・プラ・スィ・サンペットには、苔むしたセイロン様式の仏塔が並んでいる。このアユタヤ最大規模の寺院も世界遺産である。寺院の中を歩いた。レンガが壊れて塔は傾いている。修復はしていない。折れそうな柱の根元だけはセメントで補強してある。
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昼食はホテルを敬遠して、ウトン通りの河畔にある、KHUM KRUNG SRIというレストランに入った。中国系の人の経営だと見た。メニューをじっくりと見て、豆腐のスープとブタ肉の入った焼きそば、海老の焼飯をたのんだ。ここでは焼きそばは主にビーフンや春雨を使うようだ。出てきた料理は最高においしかったので、やはり食べ過ぎとなった。
昼食後、さらに観光を続けた。巨大な野外の寝釈迦である。衣をまとっている。ワット・ロカヤ・スタという。大草原に悠然と横たわる高さ約5メートル、全長28メートルの白い巨大な寝釈迦仏である。穏やかな表情と人間味あふれる姿で寝ている。
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次は、ワット・プラ・マハタートである。謎に包まれた13世紀の名残りだという。木の根に取り込まれた仏頭が知られている。廃墟となった寺院の跡に、頭のない仏像達がずらっと並んでいる。
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町の中に観光客を乗せる象がたくさんいる。人力車もある。
アユタヤの街の北東にある狭い露地の市場に入ってみた。市場を北に抜けると川畔に出た。人々が壊れかけたような粗末な椅子とテーブルを屋外に置いて団らんしている。挨拶して椅子の後ろをすり抜けて板の割れそうな小さな橋に上がってみた。半分水没した民家の庭先に長い物が動いているので近づいてみたら、1メートル50センチほどの長さのワニがのしのしと歩いていた。その家の飼い犬が出てきたが、小さく「わん」と吠えただけで無視していた。馴れているのだろう。
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屋台で売っている「バービン」というココナツを材料にした焼き菓子を食べた。マンゴーも剥いてもらって食べた。両方とも実においしい。
15時半をすぎて、学校が終ったとみえて町中に子供たちがあふれる。大学生もいる。皆はミニバスに鈴なりになって帰っていく。両親で働いている家庭が多いから、小学生も自分で帰る。子供たちは屋台でおやつを買って食べている。迎えにきている親もいる。女子大生はみなスマートで荷物を持っていない。道ばたの屋台で鶏の丸焼きを売っている。
アユタヤの町は川が周囲をとりまいている。道ギリギリの水位に囲まれた町を後にして、15時40分、バンコクへと向かった。新しく開設されたばかりの空港から夜中の飛行機で帰国する日程である。
昔から、調査で旅行するたびにその旅の記録を書いた。それは後でさまざまのときに役だった。見たもの聞いたことを何でも書いておくという習慣が残った。今回の旅行は、久しぶりにその習慣をよみがえらせる旅行となった。
◆同窓会◆
京都大学同窓会の設立について 理事・副学長 木谷雅人
11月3日、さわやかな秋晴れの中、時計台記念館において約250名の同窓生・教職員の参加を得て「京都大学同窓会設立総会」が開催され、京都大学の全学的な同窓会組織が正式に発足しました。同時に、第一回のホームカミングデーとしてキャンパス見学会も実施されました。ここに至るまで多くの関係の方々のご協力を賜りましたことに御礼申し上げるとともに、ご参加いただいた皆様に深く感謝いたします。
国立大学の法人化後、各大学はそれぞれの個性と特色をより明確にし、その活動に対する国民の理解を得るよう努力することが強く求められていますが、同窓会の設立は京都大学のアイデンティティを再確認し、それを広めていく中核として大きな意義を持っていると思います。
大学としても、同窓生の皆様に対する大学の現状等に関する情報の提供等に一層努め、コミュニケーションの充実を図っていきたいと考えています。
この機会に京都大学同窓会のホームページを立ち上げました。ぜひご覧いただきたいと思います。
http://www.kyoto-u.ac.jp/alumni/index.htm
最近各地域においても、学部等の枠を超えた地域同窓会設立の動きが出てきていますが、京都大学同窓会としては、皆様のご意見を踏まえながら、各同窓会の活動や新たな同窓会の設立への支援をはじめ、今後様々な活動の充実に努めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【問い合わせ先】
〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学百周年時計台記念館内
京都大学同窓会事務局
TEL 075-753-2225/2232、FAX 075-753-2286
alumni@www.adm.kyoto-u.ac.jp
○京都大学同窓会設立・ホームカミングデイを開催
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611091031445450
○京都大学ボート部創部100周年、医学部ボート部創部50周年記念行事
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_sotu/dousoukai.htm#a061209
◆おすすめサイト◆
○学歌
http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/01_song/song.htm
2004年の京大合唱団OBによる合唱と、朝比奈隆氏の指揮による京大交響楽団・合唱団の演奏による蓄音機用レコードの音声を聞くことができます。
○ホームページの新規コーナー
・[京都大学との契約について] 京都大学における発注・検収
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_keiyaku/hachu.htm
◆トピックス◆
○第48回京都大学11月祭を開催
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611271917182511
○第3回京都大学・東京フォーラムを開催
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611211614210888
○京都市立第四錦林小学校4年生の皆さんからプレゼントを頂きました
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611080901580756
○化学研究所 創立80周年記念行事
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611140901090767
○ハロウィン!仮装した学生さん4人が、構内を回りました
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611091148137685
○“留学のススメ”を開催
・KUINEP学生による協定校紹介 Part1 スイス・ローザンヌ大学
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611161358420094
・特別編 国立シンガポール大学への留学説明会
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611151133325998
○助成金等採択結果
・産業技術研究助成事業(3件)
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611010922093864
・社会技術研究開発事業(1件)
http://www.kyoto-u.ac.jp/cgi_build/back_number/2006.htm#200611141615502448
◆ニュースリリース◆
○見えない暴力−「精神的いじめ」の実態調査について
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061114_2.htm
○「ホワイトナイル」の販売実績とエンマー小麦の収穫状況について
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061106_3.htm
○「生きた細胞の核から自由自在に染色体を取り除く」−再プログラム化と染色体除去技術による体細胞の幹細胞化−
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061106_2.htm
○「緑のかおりで害虫の天敵を誘引」−植物の改変により病害虫に対する抵抗力を上げる試み−
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/061031_1.htm
◆イベントのお知らせ◆
○企画展
・総合博物館平成18年秋季企画展
「湯川秀樹・朝永振一郎生誕百年記念展−素粒子の世界を拓く−」
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/buhin/061004.htm
・大学文書館 「一中・三高・京大 −二人が学んだ学校−」
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/buhin/070128_1.htm
・京大サロン 「湯川秀樹・朝永振一郎生誕百年企画展「二人を取り巻く人々」」
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/buhin/061004_1.htm
○京都大学未来フォーラム(第26回) 「現代を生きる狂言」
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061218_1.htm
○玉城嘉十郎教授記念公開学術講演会(第45回)地球惑星科学の華:極域の科学
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061129_1.htm
○第4回こころの未来セミナー 『前頭連合野における情報の表象と処理』
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061129_3.htm
○公開講演会 『地球の気候の移り変わり』のご案内
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061202_1.htm
○第5回こころの未来セミナー 『発達脳の可塑性とそのメカニズム』
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061206_1.htm
○「知識社会基盤構築のためのサイエンスライティング講座 II」@京大吉田キャンパス 2006
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061027_1.htm
○第74回公開研究会 京都大学の考えるこれからの情報教育
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/2006/061216_1.htm
>>その他のイベント情報はこちらをご覧ください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/event.htm
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