主役は表現・創作活動にはげむ学生たち。
起点となる作品に感化され、イメージの淵から生みだされた作品をお愉しみください
SF・幻想文学研究会
ペンネーム のうみさん(文学部4回生)
御来迎
みなハイタッチ
してくれる
田水沸く
暴力的に
メロン切る
最近、研究会内で局所的に俳句がはやっているので夏の句をつくりました。SF・幻想文学研究会では年に数回、句会を開催しています。
演奏者:エレクトーンサークルKUES
櫻庭芳樹さん(文学部4回生)
春は生、冬は死。人生を四季にたとえると、「夏」が私たち学生の「いま」にあたるのではないか。たちこめる熱、やり場のない苛立ち。陽炎が揺らめき、目の前の景色がぐにゃりと歪む。そんなイメージを膨らませ、怪しげな色合いから、恍惚の境地にむかうようすを表現しました。
作者:Yunian Pangさん
(大学院総合生存学館(思修館)3回生)
パーティが終わり、参加者が去っていく場面です。ニーチェが語る、アポロとディオニュソスの哲学を参考に、「響きと怒り、狂喜と合唱の余韻の中、内在感性の昇華と外部理性の超越」を表現しました。夏の暑さとメロンが「響きと怒り」、「狂喜と合唱」を、残っている一つのメロンが「理性の超越」を、「感性の昇華」はココロのなかに隠れ、穏やかな表情で表しています。
SF・幻想文学研究会
内藤惇さん(医学部三回生)
港の空の色は、
空きチャンネルに合わせた
TV光の色だった。
W.ギブスン『ニューロマンサー』(1984)より引用。
退廃的で混沌とした近未来を描く本作の冒頭を飾る、印象的な一節です。実は「空きチャンネル」の色に関しては議論があり、砂嵐ではなく、明るい青をイメージする人もいるようです。
演奏者:エレクトーンサークルKUES
櫻庭芳樹さん(文学部4回生)
「空きチャンネル」と聞いて脳裏に浮かんだのは、純粋に黒白。 この曲のモノクロな雰囲気が合うような気がして選曲しました。 題のとおり限られた楽器による特殊な編成で、 彩度は低いものの、吸い込まれそうな独特のグラデーションを感じさせる音づかいが印象的です。
作者:Yunian Pangさん
(大学院総合生存学館(思修館)3回生)
私はこの写真を撮る前に頭の中に浮かんだのは以下の画面です。「夜、ゲームセンターから出る少女は港に行き、座る。テレビの空きチャンネルみたいな色のライトの下で、彼女はタバコを出し、ボーと真っ黒な海面を眺める。自分はなんだろう、何処から来て、どこに向かうだろう?」ここで、ひまわりは自分のChildhood、海は孤独と穏やかに対する願い、そして星雲は自分自身の昇華。このモノクロの世界で、心の中は依然綺麗な、残酷な色が付いている。