京都大学に関わるすべての人が125年の歴史を再認識し、
次の125年へのエンジンとするために。
京都大学は2022年に創立125周年を迎えます。長い未来へと続く歴史の通過点ではありますが、非常に重みのある節目でもあります。
周年事業とは、京都大学に関わるすべての人たちが「確認作業」を行うための貴重な機会です。
「創立の理念を見失わず時代の変化に呼応して改革を行いながら125年の時を刻んできた」
「自分たちはこういう大学で学び、教え、あるいは働いている」
「この先の125年に向けて、全員で力を合わせて進んでいこう」
こういった思いをすべての人が再確認することこそ、周年の意義でありましょう。
皆の意識を合わせることが、また次の125年に向けて進むエンジンとなります。
京都大学が創立125周年を迎えるにあたり、「京大力、新輝点。」というスローガンを制定しました。
「京大力」とは、学生、研究者、教員、職員、さらには卒業生をはじめすべての京都大学の関係者が持っている、京都大学らしさに満ち溢れたチカラであり、さまざまなシーンで発揮される能力です。
それは、決して一語で定義できるようなものではなく、一人ひとりに、それぞれ独創的な「京大力」が存在します。
京都大学の基本理念にある「地球社会の調和ある共存」のために、果敢に取り組む人材。
瑞々しい感性により、既存の学問の分野を超え、新しい課題設定と解決策を見出す人材。
日本人の心の核である文化を見直し深めることにより、未来社会をつくる原動力となる人材。
「京都大学からはつねに独創的で画期的な新しい何かが生まれる」という、125年の歴史の中で築き上げてきたレピュテーションを失わず、より強固なものとしていくために、125周年を大切に迎える準備を進めていきたいと考えています。
2020年11月
京都大学総長
湊 長博