わたしの京大力

No.008
Sueyoshi Zacharyah Sequoia

地球市民としての第一歩。
自身のルーツ、日本への留学で
災害に強い建築技術を学ぶ。

工学部 1年生 Sueyoshi Zacharyah Sequoia

Profile

オマーン出身、アメリカ国籍。オマーンの高校を卒業後、日本語能力を有した優秀な人材を輩出することをめざす留学プログラムKyoto iUP(Kyoto University International Undergraduate Program)を利用して京都大学に留学、工学部地球工学科に在籍中。

自身のルーツである日本で、災害に強い建築技術を学びたい。

 私は日系アメリカ人の父とフィリピン出身の母をもち、オマーンとアメリカの2カ国で育ちました。自分のルーツの一つである日本は、子どもの頃から憧れの対象でした。

 日本への留学を考えるようになった大きなきっかけは、東日本大震災・福島原発事故の時に故郷を離れなければならなくなった日本人学生をホストファミリーとして受け入れたことでした。その時は日本語がわからず被災者の方々と十分にコミュニケーションを取ることができなかったのですが、地震や津波、原発事故といった日本のニュースを身近に感じ、そうした災害にも対応できる建築技術を学びたいと思うようになりました。地震大国の日本は耐震技術の研究が進んでおり、なかでも京都大学はそのリーダー的存在であると知り、留学を決意しました。

 6ヵ月間の予備教育で日本語や基礎的な数学、物理などを学んだ後、2020年4月に京都大学に入学しました。ちょうどコロナが猛威を振るっている時期で、前期はすべてリモートでの授業になってしまいましたが、後期からは対面での授業も少しずつ始まっています。物理学実験の授業では、実際に手で触れ、目で見ることのできる学びに感激しています。

 留学生や英語の話せる日本人の友達もたくさんできました。友達たちとの交流のなかで、出されたご飯は残さない、日本独自の「もったいない」という価値観に触れたのは新鮮でした。韓国、中国、日本のいろいろな違いについてディスカッションをしたり、北海道に遊びに行ったり、日々刺激を受けながら学生生活を満喫しています。

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Kyoto iUPの同期とともに6ヵ月の予備教育を経て、京都大学へ入学。

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大学でできた友達との北海道旅行は、日本に来てから一番の楽しい思い出。

京都で学び、地球市民として成長する。

 多様なルーツを持つ私にとって、global citizen(地球市民)として成長することはひとつの大きな目標です。災害の原因となる環境問題はグローバルにつながっているので、エンジニアとしても目の前の課題を解決するだけではなく地球環境全体に及ぼす影響まで考えられるようになりたいです。多言語を操り世界で活躍しながら、同時にローカルな視点も大切にするマインドを持った人間でありたいと思っています。そのためにも、ゆくゆくはインターンシップに参加してさまざまな分野の方と交流したり、日本やアメリカ以外の国や地域への交換留学に参加することにも興味があります。卒業後は地震や津波の研究が盛んなカリフォルニア大学の大学院への進学も考えています。

 とはいえまだ京都大学で勉強を始めたばかりなので、まずは日本での学びを大切にしたいですね。日本には「もったいない」精神をはじめ、もともと自然との調和や持続可能性を大切にする考え方が息づいています。とくに京都という街は古い建築物が多く残されていて、災害に強い街づくりを学ぶ上では格好の土地柄だと思います。京都大学のシンボルである時計台にも免震技術が使われているんですよ。今後は実際にフィールドに出て建築物を見学する授業も予定されているので、今から楽しみにしています。長いスパンで未来を見据えた日本の技術から多くのことを学んでいきたいです。

わたしの京大力MY KYODAI-RYOKU

自然と調和する日本の技術から学んだ、未来志向で自分を高めてゆく力

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