アルバイトに明け暮れ
ダニ研究に没頭した日々。
京大で学んだことは
自由な発想と自由な行動。
国立環境研究所 生態リスク評価・対策研究室 室長
五箇 公一
京都大学農学部 1988年卒業
京都大学農学研究科 修士課程 1990年修了
京都大学 1996年 農学博士号取得(論文博士)
京都大学在学時は、一応、真面目に授業に出ながらも、毎日のようにバイク・ツーリングと旅費を稼ぐためのバイトに明け暮れていた。
大学院に入ってからも深夜のレンタルビデオ屋でバイトを続け、接客業の才能を見染められ、ビデオ屋の店長へのオファーまで頂き真面目に進路に悩んだこともある。
研究テーマはダニ学。大学院修士課程修了までひたすらダニの交尾を観察するというマニアックな研究に没頭した。
京都大学で過ごした6年間に学んだことは自由な発想と自由な行動。今は、ダニ学を極め、ダニ学から環境を眺め、環境省の研究所で働くようになり、テレビに出ることも増えて、おかげで、こうして京都大学創立125周年の記念寄稿にお誘い頂ける立場にもなった。
いまはコロナで、学生のみなさんも思うように大学生活を送ることができなくて大変だと思う。このコロナ禍を招いたのはこれまでの人間活動による環境破壊。我々世代は大きな責任を持って、この問題の収束に当たらなくてはならない。そして、若い人たちにはこの苦境をバネに、希望に満ちた新たな社会づくりに向かって自由な発想と行動力でイノベーションを生んでいってほしいと願っています。
2021.01.14 THU