京大で育んだ人生哲学が
海外、そして音楽界でも
たくましく生きていく
下地になりました。
オペラ歌手 ソプラノ
飯田 みち代
京都大学教育学部 卒業
創立125周年おめでとうございます。
私は大学で、人生の中のたった4年間を過ごしました。歴史に彩られた美しい京都という町で、日本の文化を担う教授たちの肉声に触れ、才気にあふれた仲間たちと生きた4年間でした。
それは波乱万丈の私の人生の中でも、最もカラフルな時間でした。すでに一人の大人として、まだ未熟な私たちの人格を認め、自由を重んじてくれる大学の気風の中で、私はのびのびと自分の人生哲学を作っていきました。それが、海外であろうと、門外漢であった音楽界であろうと、たくましく生きていく下地となりました。短期的な視野ではなく、歴史の中での自分たちの立ち位置を確立しようとしていく教授たちの言葉は、世の中を見始めた私の視野を時間的にも空間的にも広げてくれました。そのおかげで、独自の人生を歩むことができ、人生がどこで終わろうと悔いはないと感じています。
それをあたえてくれた大学に、大変感謝をしています。そして、母校を巣立っていく人々の人生が、やはり気概と独自性と光にみちたものであることを願い、信じます。
母校の益々の発展を祈願いたします。
2020.12.17 THU