創立125周年に寄せて

山中 一毅

どう転がるかわからない
人生は即興で奏でる音楽。
大切なのは、己を自覚し
覚悟を決めること。

サックス奏者・作曲家

山中 一毅

京都大学総合人間学部 2008年卒業

 恥ずかしながら私は京大の学生時代、到底真面目に勉強していたとは言えません。教室のある学舎棟に立ち入ることは珍しく、代わりに毎日のようにルネ横で楽器ばかり吹いていました。京大時代にジャズという音楽に出会い、のめりこみ、けれども当時はそれを生業に生きていくとは思ってもいませんでした。人生はいつ、どこで、どう転んでいくかわからない。まさに即興で奏でていく音楽のようなものです。そんな中で、大事なことは「自分が何者なのかを知り、何を求めて日々生きていくのかを自覚し、覚悟を決める」ことだと思います。京大の自由で緩やかな空気の中でその端緒を掴むことができた4年間は、今となってはかけがえのない記憶です。今の京大生にも、慌てず、けれども今目の前を夢中に懸命に尽くしてほしいと思います。

2020.11.19 THU

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