純粋に夢や希望に
心を踊らせた、
人生の中で最も楽しかった
京大で過ごした日々。
ハリウッド俳優/声優/海外事業コンサルタント
水原 碧衣
京都大学法学部 卒業
吉か凶か…何故か丸太町の某知る人ぞ知る混沌とした空間での暮らしから始まってしまった私の京大ライフ。私はそこでどんな突飛な発想でもとりあえず実行に付き合ってくれる仲間に出会い、夜な夜な思い付く限りの話題をとことん議論し語り明かす時空間に陶酔し…その後単身中国で女優修行などを成し遂げられたのも、あのハードな居住環境で鍛えられた逞しさのおかげか。
幼い頃から抱き続けた女優への熱き夢談議に明け暮れていたあの頃、自分がゴールデングローブ賞受賞作品でハリウッドのレッドカーペットに立つシーンなんて夢の中でも登場したことはなかったというのに…がむしゃらに走り続けるうちに、気が付いたら現実は夢をも越えていった。
でも不思議なことに至福の時として今真っ先に浮かぶのは、「夢スカウター」が故障しちゃいそうなそんなミラクルな瞬間よりも、晴れた春の日の通学時にちょっと遠回りして、桜吹雪が舞うなか鴨川のほとりを自転車で駆け抜けて行った時のあの美しく穏やかな高揚感…。
今振り返ってみると、やはり京大で過ごした日々は間違いなく人生の中で最も楽しく幸せで、純粋に夢や希望に心躍らせて、一番曇りなく輝いていた時間に思えるのです。
2022.01.20 THU