京大先生図鑑

京大というフィールドに生息する個性豊かな先生たち。普段見られない生態をご紹介!

川上浩司

英名
KAWAKAMI HIROSHI
分類
学際融合教育研究推進センター/デザイン学ユニット
専門
システム工学
職名
特定教授(工学博士)

行動

一日のスケジュール
普段の行動について
何にでもこだわってしまう。例えば食堂の「サラダバー」。自分で皿に盛り付けた重さで値段が決まる仕組みなのだが、“100円ぴったり”に合わせることを15年前から続けている。案外難しく、月に一回ぐらいしか100円ぴったりにならない。それが悔しくて、でも楽しくて、このために食堂に通っていると言っても過言ではない。しかし、たまに遅く行ってサラダバーが空だった時は「その日一日やる気がなくなる」
職業病
他人とは違う、つまり不便なことを選択してしまう。例えば旅行。ガイドブックに“おすすめコース”とあると、「逆にすすめられていないコースを選んでしまう」という。一度家族でツアーバスに乗ったが、結局どこで何をしたか誰も覚えていなかったという悔しい経験があるため。
好きな食べ物
辛いもの。わさび系も唐辛子系も相当いける。実は家族に黙ってハバネロを栽培している。かつて家のカレーに丸ごと一本刻んで入れたら、家族にひどく怒られた。
趣味
自転車。以前まで、最寄駅より手前に降りて、20分ほどかけて峠道を自転車で大学まで通っていた。「目的もないのにどこかに出かけるのが嫌い。一石二鳥じゃないと」と、趣味については効率的な思考の持ち主。愛車はアンデスを走破した息子夫婦のお古の自転車を分解して、一台に組み直したもの。
仕事道具
赤ペン
資料を添削するのに使う。メーカーなどのこだわりはないが、たまたまもらった5色ボールペンが、書き心地がよいためお気に入り。
A3にプリントした紙
研究資料や学生のレポートなどは一度紙に印刷してチェック。パソコン画面上では行わない。
壊れた名刺入れ
以前勤めていた助手が異動の際に置いていったものを拝借して使っている。一部分が壊れているが、「これがいいんです。たぶん壊れたから、捨てていったんだろうね」と、やはり不便な物には目がない様子。
赤ペン、壊れた名刺入れ
ものさしはもちろん「素数ものさし」

生息地域

1964年生まれ。京都大学工学部在学中は人工知能について研究。同修士課程修了後、岡山大学の助手をしながら博士号を取得。その後、恩師であり、システム工学の権威である片井修教授の下で京都大学に。現在はデザイン学ユニットの特定教授として京都大学東一条館に勤める。

主な生息地 京大の魅力

生態

「どうやって不便にしたろか!」─モノの不便について考えている川上先生は、日々の生活も不便であることにこだわっている。例えばランチ。初めての店でも決して口コミ情報をスマホで調べたりはしない(そもそもスマホのような便利な道具は持っていない)。果たしてこの店はアタリか?ハズレか? 賭けであるが、だからこそアタリの店だった時の喜びは大きい。これぞ不便がもたらす“益”というわけだ。

「不便益研究」に興味をもったワケ

川上先生の夢マンガ

特徴

人物像
鉛筆も普通には削らない。ナイフでスクリュー状にしたりする。「こんなんできるの俺しかおらんやろ!」という“俺だけ感”を味わいたいから。
ちょうど腕時計が壊れた時に取材を受け、「腕時計しないのも不便益ですか?」と聞かれ、つい「はい」と答えてしまい、それ以来腕時計がつけづらくなっている。
負けず嫌い。以前自転車で上り坂を走っていた時、電動アシスト自転車に抜かれて奮起。毎日鍛錬し、電動アシスト自転車にも負けない脚力を手に入れた。
学生時代
ちょっとした“流行”を作るのが得意だった。例えばサスペンダー。「誰か真似せえへんかなあ」と思っていたら、少しずつつ真似する学生が出てきて、一時期大勢の学生がサスペンダー姿に。「ただし、その流行はすぐに消えましたけどね」。
また、「持久走同好会」に所属。鉄アレイを持って大文字山を駆け登ったりしていた。
もし京大の先生になっていなかったら
メーカーの開発担当者。「だけど、人に言われたものはやらないだろうなあ」。

唯

自分を漢字一文字に例えると

「唯」。禅の言葉“吾唯足知(われただたるをしる)”より。不便益と近い考え方だと思う。他人と同じことをするのが嫌なので、“唯一”という意味でも。